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第64話 国で一番強いトピエさん

 スービエ村から離れて人目に付かなくなったタイミングで荷台へと移動し、荷物をポーチに仕舞って荷台を軽くさせた。


「オッケー。二人とも、これで軽くなったぞー」


 荷台を軽くしたおかげで、荷物を受け取ったのに来た時と同じ速度で帰る事ができた。やはり、ポーチに入れると重さががほぼ無くなるのが便利過ぎる。


 帰りも特に何か起こる訳でも無く店に到着できた。このまま二人は勝手にエオルの家にある馬小屋まで帰っていくので、店の前で出送る。


「二人ともお疲れ様。気を付けて帰るんだぞー」


 再び頭を撫でてから二人を見送った。寂しいけど、また三日後の仕入れの日に会えるのでそれまでの辛抱だ。

 

 エオルは「プライベートな事なので」と頑なに家の場所を教えてくれないのでいつでも会いに行けない。

 さて、買って来たポーションを店頭に並べていこう。


「ふぅ。こんなもんかな。時刻は……そろそろ昼頃か。飯食ったらトピエさん探しに行こっと」


 昼食を食べ終わった俺は黒曜の鎧を装着して街へと出発する。でも、流石に店の扉から出たら家バレしてしまうから、どこかまでワープしよう。


 という事で、ワープして人通りの少ない通りまでやってきた。


「さてと、問題はどうやってトピエさんを見つけるかだな。今更だけど、こんなに広いのに一人を見つけるなんて難しいのでは?」


 姿は覚えているけど、人が多く土地も広いティエスカで目的の人物と出会えるだろうか?

 ううっ、そこら辺の心配してなかった。


「どうしようかな……。そうだ!前にマーレスと一緒に"飛行(フラウェ)"を使って街を上から眺めた事があったな。あん時も大して誰からも注意されなかったし、俺も飛んで空から探すか」


 以前はいろんな意味でドキドキして下を見るのにそんなに集中できなかったが、一人なら誰にも邪魔されずにゆっくり探せるだろう。


「"飛行(フラウェ)"!」


 空を飛んでティエスカ上空に到着し、停止して街を上から見下ろす。

 視力は普通の人よりも良いのだが、あまりに人が多いのでトピエさんを探す難易度が高い。

 

 五分ほど探したが全然見つからない。これ、本当に外に居るのか?


「トピエさんはどこに居るんだ?全然わかんないな――」

「私はここだ」

「うわあぁ!?」


 空中に居るのに背後から話しかけられた。咄嗟に振り返るとトピエさんが立っていた。

 まさか、彼女も飛べるなんて予想してなかった。


「貴様、わざわざ飛んでまで私を探していたのか?何を企んでいる?」

「あの、えっと……!」


 トピエさんが腰に納めた剣を握った。いつでも抜いて俺と戦う準備は万全らしい。とりあえず、戦うつもりは無いし両手を上に上げて、危害を加えるつもりが無い事をアピールする。


「いや、何もやましい事は考えてませんよ!実は、禁断の果実やドラゴンキングに関して、あなたに伝えたい事があったんです」

「ほう?城に報告するのでは無く、私個人に伝えるのか。その理由はなんだ?」

「トピエさんにだけ話したかったからです」

「ふむ。良いだろう。貴様の話を聴いてやる。なら、二人きりで話せる場所に行かなくてはな。どこが良いだろうか……」


 周りを見渡すが、人の少ない所なんて見つからない。絶対に人が来なさそうなところは、それこそ高い建物の屋上くらいだろう。


「城の屋上なんてどうでしょう?高いので人は居ませんし、もし聞かれたとしても国の人なので安心です」

「貴様のような怪しい者を城に近付けたくは無い。行くなら街を囲う防御壁だ」


 かなり警戒されているようなので、怪しまれている俺が城に近付けるわけ無かった。

 そうして二人で飛んで防御壁に到着し、俺はヘリの所に座った。

 街をまるまる囲っているのは、長くて頑丈な確か、凄腕の()()()()がたくさんの石を繋ぎ合わせて一つの強固な壁にしたんだっけ。


「少しでも怪しい行動を見せたらすぐに斬るから覚悟しろ」

「は、はい。何もしませんって」


 飛べるって事は、かなりの実力者しか突破できない最高難易度のダンジョンをクリアしたって事になる。

 それにマーレスよりも熟練の戦士って事は、俺を除いたらこのティエスカで一番強い人なんじゃないか?


「……兜は外さないのだな」

「えぇ。これは俺のプライバシーの為ですから、外す予定はありません」

「ふむ。悪事を働かない限りは、貴様の意思を尊重して余計な詮索はしない。これは女王様の意向だが……なにかしでかした時は私が容赦なく斬るからな」


 ジッ……と警戒された目で見られている。だが、結局誰に話しても結局は警戒されるだろう。

 権力を持つ人と一対一で話す機会なんてまたと無いので、ここでマオウグンに関する情報を報告してしまう。

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