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第41話 高めのレストランに行こう

 その後も、俺はエイダの発言を聞き漏らさない様に注意しながら、ティエスカの通りを三人で歩いて店を回っていった。

 知らない武器屋に八百屋など、行った事の無い店がほとんどだったので見応えがあり、とても楽しい時間を過ごせた。


グ〜〜


「あっ、すみません。お腹鳴っちゃいました」


 大きな音で鳴ったので、近くに居る二人には絶対に聞かれた。あぁ、恥ずかしい。

 朝に食べたのが腹持ちの悪いパン一つだけだったので、昼前なのにもうお腹が空いてしまった。


「うふふ。実は私も、朝はドラゴンの群れが来たから慌ただしくてあまり食べてないの。ちょうどお昼になるし、それじゃあレストランに向かいましょうか」

「せっかくなので、私はここの名産が食べたいです」

「そうねぇ。ティエスカの名産といえばスピードイーグルだけど」

「えっ、初耳」


 確かにゲームにもあったが、名産だったのか。


「近くの森に居る速い鳥ですよね?それ食べたいです!」


 エイダが興味を持ったので、俺達三人はそれを食べにレストランにやってきた。

 お店の中はオシャレな空間で、外の看板に書かれていたメニューは豊富だった。そこそこ値段の高い店なので、味にはとても期待できる。

 

 四人用のテーブル席に座り、シェーナさんとエイダが並んで座り、俺はシェーナさんの向かい側に着席した。


「レストランに来たの久々かも」

「あら、ムクロンちゃんは普段自炊しているの?」

「昼はエオルに弁当をいただいたり、買ってきた物を食べてますね」

「へぇー、店長さんってとっても優しいのね」


 俺ではなくエオルの好感度が上がってしまった。

 ここから上手く自分の好感度を保つ手段はないか?


「えーと、申し訳ないから今度からお昼ご飯も買おうかなー!」

「ダメよ。せっかく作ってくれたのに断るなんて。きっと、店長さんは一緒に食べたくて作ってくれてるのよ」


 ぐああっ。誤った選択肢を選んでしまって好感度が下がってしまった。女心って難しい。


「あっ、私チキンステーキのハーフサイズにします!」


 俺とシェーナさんが話している最中に注文を決めたエイダがメニュー表をシェーナさんに手渡した。


「そうね。何にしようかしら。私は、ドラゴン討伐を頑張ったご褒美にステーキのサラダセットにしちゃおうかしら。はい、ムクロンちゃん」


 シェーナさんからメニュー表をもらい、写真がなく名前だけが書かれたメニュー表を読む。

 この世界に来てレストランに入ったのは始めてだ。変なメニューを選んで失敗したくないので、ここは安全策を取る。


「私はシェーナさんと同じ物を!」


 しばらく先ほどの探検について話しながら待っていると、頼んでいた料理が席に届いた。


「うわー!スゴい美味しそう。そして熱そう!」


 アツアツの鉄板の上に置かれたチキンステーキは表面が脂の反射によって光っておりとても美味しそうだ。見てるだけでヨダレが垂れてきた。

 みんなの料理がほぼ同時に届いたので、挨拶して食べ始める。


「「「いただきます!」」」


 右利きなので、左手に持ったフォークで肉を抑え、右手に持ったナイフで肉を一口代に切って口に運ぶ。

 最初に全ての肉を一口大に切り分けるのはマナー違反であるのを偶然知っていて良かった。


「はふっ!あっ、美味しい!」


 口に入れた瞬間に肉の旨みが全体に広がり、コショウのスパイシーさも良いアクセントになっている。

 正直、この世界に来て食べた物の中で一番美味しい。  ……アツアツなので舌を火傷してしまった。二人にバレないようにヒールで治そう。


「どう、美味しいでしょ?熱いからエイダちゃんは少し冷ましてから食べた方がいいわね」

「はい。では、フー、フー。あ〜ん……。と、とっても美味しいです!」


 ステーキを食べると、エイダは子供らしい純粋無垢な笑顔を見せた。


 一緒に付いてた美味しいサラダも完食し、他二人も食べ終わったのでお会計をしに出口に向かった。三人分の金額を言われたので、ここは俺が払って好感度を上げよう。


「あっ、私お金あるので払いますよ」

「待って、ここは私が奢るわ」


 シェーナさん本人がそう言い出したので俺の好感度アップチャンスは失敗に終わった。


「シェーナさん。私、観光客なのに良いんですか?」

「気にしないで。エイダちゃんには、楽しい記憶だけ持ち帰って欲しいの」

「……!ありがとうございます!」

「私も、ありがとうございます!」


 奢ってカッコつけたかったが、まさかシェーナさんが払ってしまうとは。

 俺は異世界転移した時に国家予算レベルのお金を持つ大富豪になったのに、払わせてしまって申し訳ない。

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