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我が国の王女様は完璧である

 「こ、この方が王女様……!」


ゲーム内の設定ですら「絶世の美少女」と書かれていたのに、実際に見ると美し過ぎてヤバい!こんなに綺麗(きれい)な人いるの!?語彙(ごい)(りょく)が無くなるほど美しい!クトゥルフ神話TRPG六版でたとえるとAPP(外見の良さ)が一十七はあるんじゃないか!?上から数えて二番目の数値だが、一十八以上は神様や人外じゃないとなれないから人間の範囲では実質最高レベルじゃないか!


くっ、この方には何をするにも(おそ)れ多い!まさに、生まれながらにしての女王様。雰囲気が庶民とは比べ物にならないほど気高い!ほら、シェーナさんもエオルも、周りのみんな全員エルヴェンヌお嬢様に釘付けになってるもん!


「ごきげんよう、皆様。ティエスカの王女、エルヴェンヌです。先程起きた、離れた地に生息するモンスターがここ、ティエスカを襲うという異例の事件について我々が専門家や有識人と話し合って考案した対応策を発表いたします」


なんて知性的な話方なんだ……。顔や地位だけのお姫様ではなくしっかりと教養も備わっているとは、もしや完璧超人でいらっしゃる?欠点なんて一つも見当たらないのに嫌味っぽく無いし、もはや同じ人間として比べるのもおこがましいレベル。


「以前に発生したクラッシュボアによる事件の際は、黒曜の騎士様がリーダー格と見られる個体を撃破した途端(とたん)に他のモンスターは住処に帰っていきました。しかし、今回はドラゴンの群れは最後まで攻撃をやめず、黒曜の騎士様も同様に最後まで戦われていました。この事から考えるに、今回は他のドラゴン達に指示していたと見られるボスはこの場に来ておらず、元々の住処に留まっている可能性が高いです」


スゲェッ……!エオル以外に誰にも報告してないのに全部わかっているだと!?


「そのため、国はドラゴンのボスを調査し討伐するべく調査団を編成する事を決定しました」


それじゃあ、俺の代わりに国で調査をしてくれるのか。まぁ、そっちの方が報告する必要が無くて楽だな。


「それに加え、モンスターが凶暴化している理由を調査するために周囲の警戒を強めて」

「あのっ!」


なんだ?周りが集中してありがたいお声を拝聴(はいちょう)している時に、マーレスがいきなり手を挙げて発言して壇の前に進み出したぞ。――あぁ、アレの存在を女王様に伝えるのか。俺の代わりに説明頼んだ!女王様に話しかけるなんてとても畏れ多くて俺には出来ません!


「マーレス殿、何の用だ?」


女王様の隣に居る女騎士が警戒して剣に手をかける。


「いえ、実は凶暴化の原因と思われるアイテムを入手致しまして……」


マーレスは(ふところ)から、俺が昨日手渡した禁断の果実を取り出した。


「見慣れない果物だが、これが原因だというのか?」

「私がこの目で見た訳ではありませんが、凶暴化したスライムを倒した者が、体内に入っていたこの果実を見つけたそうです。それに……あの黒曜の騎士もこの、禁断の果実と呼ばれるアイテムが原因だと言っておりました」

「……なるほど。私が受け取ろう」


女騎士はマーレスから禁断の果実を手渡しで貰った。しかし、すぐにそれを背後(はいご)にいる人に渡さなかったのは、女王様を守る役割を果たす為に側にい続ける為だろうか?


「感謝します、マーレス様。城の方で預かり、調査に役立てますね。それと、調査団への参加を命じます」

「光栄に存じます」

「先程の戦いでは"飛行(フラウェ)"を使用してドラゴン達と空で戦っておりましたし、空中戦をお願いします」


おーっ、スゲェなマーレスのヤツ。国の調査団とか相当な実力者じゃなきゃ選ばれなさそうなのに。


チラチラッ


な、なんでアイツ、俺の方に目をやるんだよ。「どう?カッコいいですか?」って自慢したいってのか!いや待てよ、なんか泣きそうなくらい悲しそうな顔してるから、ただ単にまたしばらく会えなくなるのが内心嫌なだけか。まぁこれでシェーナさんとのデートを邪魔するヤツがいなくなって良かった。

長いので分割。後半に続く。

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