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第26話 ゲームのあの子に思いを馳せて

「本がある世界なら図書館がどこかにあるはずなんだけど、場所知らないんだよな。まぁ、適当に歩いてれば見つかるだろ」


 あらかじめエオルに場所を聞けばよかったなと思いつつも、自分から言い出して別れた手前、戻るのも恥ずかしいので自力で見つけたい。


「そういう大きな施設は人の多いところにありそうだし、城の近くに行こう」


 到着すると、人通りも多いし学校や警備団の拠点など大きな建物がたくさんあった。

 中でも、やはり立派で美しい城に目が惹かれる。

 ゲームでは設定があるだけで実際には会えなかったが、ティエスカを治めている王女様は一十六歳の少女らしい。めっちゃ可愛いとの事なのでぜひお目に掛かりたい物だ。


 たくさん人がいる中を、聞き耳を立てて歩いているが異変に関する噂は聞こえてこない。

 道中で何も情報は得られないまま、図書館らしき建物に到着した。


 中に入ると外見通り古今東西様々な本が並んでいる光景が広がっており、その中でも植物に関する図鑑が揃っているコーナーにやってきた。


「ああっ、あったあった。植物図鑑。どれどれ……?」


 あまりに分厚い本なので全部に目を通しきれないので、諦めて流し読みして挿絵だけ見る。


 パラパラと一冊見たが載っていなかった。次は範囲を絞って危険な植物がまとめられた本も読む。


 ……残念ながら載っていなかった。これだけ情報が出てこないって事は、やはり新種だろうか。


「仕方ない。あとは街で噂が流れてないか聞くついでに街を知る為に歩くかー」


 再び人の多い城の周りを歩いていると、ゲームでも見た噴水のある広場にやってきた。かなり広くなっていて、何百人集まれるんだってくらい広大な面積になっている。

 城に近いという事は、グラウンドで全校集会をするみたいにここで何を発表を行ったりするのだろうか。


 「……それにしても、とても一人じゃ街を回りきれないなぁ」


 全ての店の前で立ち止まっていたらキリがないので、誰かに案内してもらえたら良いのだが。

 でも、休日のエオルに頼むのは申し訳ない気がしている。いつも働いているので休日はしっかり休んでほしい。


「そういえば、俺の()()はどこにいるんだ?同時期に登場したキャラであるマーレスとは会ってるのに……。どこにいるんだろ」


 同人誌やイラスト投稿サイトで一十年前からお世話(意味深)になってるあの人に会えば、男としての気持ちを思い出せるはずなのに、まだ出会えていない。


 ただ、ここティエスカは広いし巡り合えるかは定かではない。かといって探し回ったら本人の迷惑になるので、いずれ偶然彼女に会える事を願おう。


「ふわぁー、今日は自爆したりお姫様抱っこされたりして疲れたし、銭湯寄って帰るか」


 風呂に入って夕食を食べ、明日も仕事なので早めに寝る事にした。


「明日、マーレスのヤツが聞き込んでくれるだろうし、もうアイツに任せて俺は仕事しよう。情報を掴んだら勝手に喋りにくるだろー」


 ベッドの中でマーレスが情報を掴んでくれる事を祈り眠りにつく。

 他の冒険者達が何か知っていればいいのだが……。

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