実際の王都は広くて大変
本当にゲームの世界に来たのか確かめる為に王都ティエスカを散歩しよう。とりあえず、拠点に近いところから見て行くか。
ギルドに武器屋、道具屋に温泉……ゲームで見覚えのある建物がちゃんとあった。
「でも、今思ったけどこの街、ゲームよりずっと広くないか?」
民家がたくさんあるし、知らない店や通りなどゲームではなかった要素もある。
「ゲーム内の王都よりもめっちゃ広くなってる……これは、歩いて全部の場所を探索するのは骨が折れそうだ」
俺が慣れ親しんだゲーム内の街は、いわばゲームのマップ用に簡略化された物なのかもしれない。だって、広過ぎたら移動距離が長過ぎでストレス溜まるしな。
「マップが広くなっているって事は……もしかして、ゲームに無い要素も増えているのか?」
流石に、ゲームでは全ての食べ物や道具がアイテムとして所持できるわけじゃないし、探索出来るフィールドのマップだって広くなっているだろう。……リアルな世界なら、モンスターの混血種とかもいるのかな?
「モンスターもゲームと同じなのか?よし、街の探索は後にして、まずは外を探索するか!」
王都ティエスカはどうせ一日で回れる広さじゃない。俺が魔法や剣をちゃんと使えるかを試すのも兼ねて、冒険の旅に出よう。
門をくぐって広い平原に出た。遠くの山が小さく見えるし、ゲームだと近い森への入り口があんなに遠くにある。
そして、遠くの位置にスライムやオークといったモンスター達の姿が見えた。スゴい、ゲームと同じ見た目をしているし、まるで生きてるみたいにリアリティのある動きだ。……いや、本当に生きているんだった。
「ん?あれは……馬に引かれている荷台か?」
よく目を凝らしてみると、ここから遠く離れた場所を走っている荷台がモンスターに囲まれているのが見えた。
「他の冒険者は……ダメだ、近くに居ない。なら、俺が行くしかないな!」
当然、ここから走って間に合う距離じゃない。ゲームをかなり進めないと覚えられない魔法を使って近付こう。
「頼む、発動してくれよ……!"無重力"と"飛行"!
選んで使用したいけれど、残念ながらコマンド選択が表示されていないのでとりあえず口に出して唱えてみる。
「おおお!浮いたー!ちょっ、高い、そして飛んでるー!」
無事に魔法は発動し、まず地上から約三十メートルほど上空まで浮かび上がった俺は、飛行の魔法でスーッと荷台まで移動していく。
「でも、なかなか操作が難しいな。俺が運動苦手なのも関係あるのか?」
よし。なんとか荷台の上まで近付いて来れたけれど、上手く降りれるだろうか。よし、慎重に落下しよう。そーっと、そーっと……あっ、無重力状態が切れた!
「あーー!!」
ドゴーン!
「あー、怖かった!痛くはないけど心臓キュッてなった!」
落下ダメージを物ともしないとは、さすが、最強装備の「黒曜の鎧」だ。しかも、運良く荷台の近くに落ちたから誰も巻き込まずに済んだ。拠点のベッドみたいに壊しちゃ持ち主に申し訳ないしな。
と、とりあえず起き上がってモンスターを倒して、運転手を救わないと!
魔法のネーミングは英語から取ってます




