黒曜の騎士についての反応
シュンッ
「うわぁっ!?ビックリした!」
「うおっ、エオルか!なんで店に居るんだ?」
ワープしたら目の前にエオルが居て驚いた。
「街の危機と聞いたら、ムクロンさんはきっと飛び出して行くだろうと思って、店の戸締りの確認にやってきたんです」
「あー、なるほどな。ちょうど店にお客さんいなかったから鍵閉めて出てったよ。さて、急いでこれを脱いで店員に戻ろう」
素早く鎧を脱いで、黒曜の騎士からムクロンへと戻った。
「やけに急いでいますね。何かあったんですか?」
「実はさっき、俺に一目惚れしてきたヤツが居たんだよ」
「えっ!告白されたんですか?」
「そう。ったく、なんで男と付き合わないといけないんだよ。気持ち悪い」
いくらイケメンだとしても、男って時点で断固お断りだ。
「そんで、多分ソイツ戦いが終わってこっち戻ってくるから。正体がバレないようにする」
「もしかして、一緒に戦ったんですか?」
ガチャ
「ムクロンさん安心してください!街に向かってきたクラッシュボアの群れは、このマーレスが撃退しましたよ!」
「ホラ来た!適当に会話して帰ってもらう!」
このまま店にずっといられたらやかましくて構わない。
「あー、お疲れ様でした」
「いやー、大変でした!ムクロンさんの無事を祈っていつも以上に全力を尽くしましたよ!」
「は、はぁ、そうですか」
「……しかし、あの黒曜の騎士と名乗る男は一体なんなんでしょう?」
おいおい、なんでここで俺の話が出てくるんだ。そんなに黒曜の騎士の方が気になってるのか?
「黒曜の騎士?」
「いや、先ほどクラッシュボアと戦った際に加勢してくれたのですが、愛想が悪いというか、オレがお礼すると言っているのに断ってすぐに姿を消した、紳士さを感じられない、失礼なヤツです」
カチン
……し、失礼なヤツだと?助けてやったのにそんな事を言われる筋合いはない!
「実は私、気になって遠くから見ていたんですけど……黒曜の騎士さんの方が技の威力が強そうに見えましたけどね」
「それは……そうだが」
露骨に声が小さくなった。俺の煽りが効いたな。
「しかも、空も飛べるなんてスゴくお強い方なんだろうなー!」
「ぐっ……!」
効いてる効いてる。どうだ、お前より俺の方が絶対に強いんだぞ!わかったら早く帰ってくれ!
「……おのれ、黒曜の騎士!オレより目立ってムクロンさんに注目されるなんて!ムクロンさん、オレは絶対アイツより強くなりますから、期待していてくださいね!」
「どうぞ頑張ってくださいねー」
「それではまた!」
バタン
ふぅー、やっと店から出て行ってくれた。これから当分の間は修行の旅に出て行っててくれ。
「あのー、何を張り合ってるんですか」
店の裏に居たエオルには会話を全て聞かれていた。
「ムクロンは黒曜の騎士に気がある、そう思ってくれたらアイツも諦めるだろ」
「いや、逆に張り切って色々な魔法を覚えに行くと思いますよ。それこそ、"飛行"を覚えに行くんじゃないですか?」
「ないない。習得出来る国までここから結構距離があるし、わざわざそこまで行くわけないだろ。さて、エオルも家に帰って休め!」
その後、店に立っていると若い女性冒険者二人組が店に入ってきた。
「さっきの、黒曜の騎士さんヤバくね?魔法の威力スゴ過ぎない?」
「ねー、カッコよかったよねー。すぐに姿を消したけど、どこにいるんだろう?会ってみたいなー」
よっしゃ……!若い女性に大人気だ!あーあ、男だったらチーレム間違いなしだったのに、なんで俺は今、女性なんだ!
「あの店員さん泣いてね?」
「ホントだ。なんで?」
…………なんやかんやあったが、その日は無事に営業を終了出来た。




