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高難易度クエスト: 女湯

 「大人二枚で」

「あいよー」

「ま、マジで入るのか……?」


集団浴場の入り口にいる番台さんにエオルがお金を払ってしまった。


「くっ……早く入ってすぐに上がるからな!」


諦めて入るしかないので、エオルにそう伝えつつ脱衣所に早歩きで入る。


「人は……そんなに多くなさそう。直ぐに脱いで風呂に入ろう」


自分の体を見ないようにして素早く脱ぎ、裸になる。


「あっ、そうだ。布で目隠しして入れば良いじゃん」


ポーチから黒い布を取り出して、目の位置で(しば)る。


「よし、何も見えない。周りから見た時の絵面は悪いだろうが、これで安心だ」

「どこが安心なんですか。滑るし他の人とぶつかるかもしれませんよ」


いつの間にかエオルが隣に来ていてツッコまれた。


「でも、これならまだ無罪じゃないか?何も見ていないんだから!」

「これから風呂に入る度に目隠しするつもりですか?慣れる為にも取ってください」

「それは一理あるが……流石に少しは抵抗する素振りを見せないと良くないと思う!ここでスッパリと割り切って、「さぁ入るぞー!」と出来る人は切り替えが早過ぎて怖いっていうか……」

「言い訳無用」


パラッ


「…………!?」


ヤバいヤバいヤバいヤバい!目隠しが取れて自分の体を見てしまった!


「エオル、目隠し取ったな!――って、裸だし!」

「風呂に入るんだから当然でしょう」

「うーん……あっ、本当に女の子だったんだ」


ビシッ


気に障ったのかエオルに左肩をチョップされた。肉体的に痛くは無いんだけど優しいエオルからチョップされた事で心が痛い。


「わざわざ触って確認したのにまだ疑ってたんですか」

「いやー、だって上半身だけ見たらほぼ男子だし」

「もう一回叩かれたいですか?」

「すっ、すみませんエオル様」


刺激の少ないエオルの体を見て慣れた事だし、さっそく風呂に入ろう。扉を開けて風呂に向かおう。


「ひろーい!お風呂がたくさんあるー!」


中には日本の銭湯のように色々な種類のお風呂があった。


「おお、サウナもある!炎魔法の熱源を使用しているのか。あ、露天風呂は無いのか。まぁ仕方ないか、飛べる人もいるし存在感消せる人も居るから(のぞ)かれそうだしな」


掛け湯を自分の体に掛けながら風呂の種類を見ていく。そして、エオルが行った通り人は少ない……ん?


「ブッ!?」


ヤバい、鼻血を出してしまった!あの女性、あまりにセクシー過ぎる!


「鼻血!?ムクロンさん大丈夫ですか!」

「目の毒だ」

「毒?」

「ここに長く居たら理性が保たない!」


俺はすぐに一番大きな湯に浸かって、壁を見つめる。他の人の事が目に入らないようにしたいのだ。


「顔が赤いんですけど、のぼせました?」

「違う、恥ずかし過ぎて頭が回ってないだけ!」


入る前はご褒美(ほうび)だと思ったけれど、いざ入ると他人を一つも視界に入れないようにしないと行けないし、ここに居るだけで女性経験の無い俺にはまるで生き地獄だ。


「異性の風呂って居るだけで背徳感で死にそうになるんだな……」

「そうなんですか」

「エオルも男湯に行けばわかると思う」


ビシッ


「何言ってるんですか!」


再びチョップをくらった。


「……それにしても、ここに毎日入らないと行けないのかー。ピーク時を避けて入らないとな」


風呂に入る人が少ない時間帯はいつだ……お昼とかか?


「これからはお昼にしか入らない事にしよう」


これ以上風呂に浸かっていると本当にのぼせそうだし、もう髪と身体を洗おう。始めから結んであった髪を解いて、長いけれど頑張って洗う。


「俺がなった事ない長さまで伸びたなー。これは、管理が大変そうだ。トリートメントをちゃんと付けておこう」


さて、トリートメントも念入りに付けたし、成分が浸透するまでしばらく待っていよう。その間に、自分の体を観察しよう。勇気を出して視線を下にする。


「うわっ、ごめんなさい!あっ、自分の体だった……」


ついさっきまでと全く違うスタイルになっているので、これが自分の体だとなかなか思えない。


「いやー、慣れるとは思えないな。この体に」


時間が経ったのでトリートメントを流してから体を洗う。しかし、触るのに躊躇(ちゅうちょ)してしまって、泡を流し落とすまでにかなり時間が経ってしまった。


「はぁー、やっと終わった」

「あ、ついに終わりましたか。後から洗い始めた僕の方が先に終わってしまいましたよ」

「今から上がるけど……髪の毛ってどう乾かせばいいの?」


生乾きは良くないと思うから乾かしたい。でも、長いし繊細だから難しそう。


「初めにタオルで水分を取ってから、脱衣所にある魔道具を使って熱風をかけて乾かします」

「それってまさか……」


脱衣所に行き体を拭き、髪を拭く時のタオルは豪快(ごうかい)にゴシゴシせず、丁寧に髪に当てる事で水分を取っていく。その間に先程の魔道具を見る事にした。


「これ、完全にドライヤー……だよな」


形状も似てるし、他の人が使っていたのを見る限り、使い方もドライヤーそのものだぞ。まぁ、違う可能性もあるし使ってみるか。


ブイーン!


「思った通り、ドライヤーだった」


異世界でも発明されるとかドライヤーって便利なんだなー。と思いながら髪をしっかり乾かした後、俺は脱衣所から出て行った。

調べながら書きましたが、女性が本当に風呂場でどうやっているかは定かではありません。情報は間違っている可能性がありますのでご注意ください。

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