一筋の明光を見つける話
「六架!?」
【まぁそりゃそうなるよね。臓物が捻じ切れかけてるんだから、話せてることすら私からしたら驚きだったんだから】
用意していた言葉を話すように、つらつらと言葉を並べていく。
台本を読んでいるのだからそれは仕方がないのかもしれないが、感情のこもらないその声、驚きもしていないその顔を見て、心が崩れていく。
本当に今の状態の大変さがわかっているのだろうか?
本当に六架の事を助けるつもりがあるのだろうか?
なんで、なんで。
「途野さん。なんでそんなに落ち着いていられるんですか?」
「ちょっと優君、それは」
触れてはいけないことに触れたのか、片喰さんが慌てて止めに入る。
【ん?そうだねぇ、その話はまた今度】
その静止を遮って、途野さんは話す。
濁すってことは、僕の思い通りなのだろうか。
本当は今の状況をなんとも思っていないのだろうか。
【ここちゃんと一緒に生徒会室まで遊びに来た時にでも教えてあげようか】
「え?」
【まんまそういう意味だよ。ここちゃんは面白い子だから、ここちゃんとはもっと話してみたい。だから、今度ここちゃんを連れて生徒会室にでも来てよ】
「あ、はい」
肩透かしを食らったような感覚。
自分が勝手に妄想して、勝手に暴走しかけて、勝手に透かされる。
もしかしたらこの感覚は僕が忌避していたあの感覚と似ているのかもしれない。
【ん?私がここちゃんの事を助けないとでも思ったのかい?だとしたら、そう思った自分の事は気に病まなくていいよ。そんな空気感しか私は出せないからね。さて、それじゃあ助ける準備でもしようか。いったん外に出るよ】
「わかりました!ほら、優君も行くよ?大丈夫、みんな気にしてないみたいだからさ!」
「……わかりました」
既に傾いた寒月が、清々しい程の光を放つ。
ただ僕たちの事を照らすことはなく、校舎の影が僕たちを包む。
切れるような寒さを体に受けながら、途野さんから説明を受ける。
【さて、ここからは己喰君にちょっと働いてもらわないとかな。この瓦礫の山から、からくり箱を取り出して貰っていいかな?】
「もちろんです!というか、もう時間は無いんですよね?」
【そうだね、今から日の出まではあと二時間ちょっとだから、少し急いでもらえると嬉しいよ】
「わかりました!」
そういうと片喰さんは軽く頬を叩く。
「せーのっ、よいしょ!」
その掛け声とともに、瓦礫を持ち上げる。ただ、持ち上げる量がさっきの比にならない。
瓦礫の七割を一気に持ち上げて、少し遠くへと放り投げる。
【いやぁ、オートファジーを使うとここまで強くなるんだね】
「人命がかかってるんで、普段より出力強めにしてますから!」
「ありがとうございます」
【私からも、ありがとうね。今夜あたりご飯奢ってあげるよ】
「ありがとうございます」
【優君のお金でね】
「なんで僕のお金なんですか」
僕の事を落ち着かせようと、軽い雑談をしてくれる。
正直周りのこの空気が無ければかなり参っていたかもしれないので、本当にありがたい。何で僕のお金なんだという突っ込みをしたが、今度実際に奢らせてもらおう。
「……お、これですか?」
極彩色で四色定理が使われた、例のあの箱を見つける。
【そうだね。ありがとう】
「いえ。んで、これをどうするんですか?」
【……あの、さ。ここまでずっと言ってなかったんだけど、これからやろうとすることはかなり危ない事なんだ。後に尾を引く後遺症も残るから、これは承諾を取っておきたい】
「危ない事、ですか。まぁある程度の覚悟はありますよ!」
「僕は助けるためなら何でも」
【うん。後これは信じてほしいんだけど、私はこれを隠してたわけじゃないんだ。初めはこんなことになるとは思ってなかったし、ここまでになるとも思ってなかった】
「そんな前置き大丈夫ですよ。さっきの言葉で優しいのは解りましたから」
【ありがとうね。じゃあ方法を話そうか。まず初めに、今からコトリバコを作るよ】
「……え?」
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