行動を始める話
「さて、ここが優君の友達が埋まっているっていう所だよね」
「そうですね」
「んじゃ、とりあえずこのでっかいのから退かそうか」
そう言って五メートルはあるであろう梁だったものを持ち上げ、少し遠くへ運ぶ。
【いやぁ、やっぱり己喰君のその身体能力強化はいつ見ても壮観だね】
「まぁ一応力を使うのが私の得意分野ですから。これくらいならオートファジーを使わなくても大丈夫です」
【頼もしいね。まぁそんな頼りある君だからこそ、こんな深夜に呼んだんだけれど。】
「え、そう言えば途野さん。今って何時なんですか?」
【今かい?今は二時ちょっと過ぎ位だよ】
かなり時間がたってしまっていたようだ。
こんな時間まで六架を放置しているが、あっちは大丈夫だろうか。
ここに来るまでに聞いていたのだが、後遺症を残さないように助けるタイムリミットは、あの空間に入ってから二日以内らしい。
それまでに助けなければ。
いや、焦るな。頭に余裕を持とう。
ゆとりを持つために、ほかの事を考える。
そういえば、かなり帰りが遅くなってしまった。
このまま六時まで帰れなければ、妹にバレてしまう。
ばれてしまえば不毛な口論をすることになってしまうので、できるだけ避けたい。
「さて、この穴がその地下への入り口かな?私こんなところに迷宮があるなんて知らなかったです」
【教えてないからね。これを知ってる人間はかなり限られているし。とりあえず六架君がいる場所まで行こうか】
「はい!」
「はい」
「うわぁ……。なんかもう既に戦闘が起こった後みたいな臭いがしますね」
「あ、実際もうここで戦ってたんですよ。ゴブリンが七体いましたね」
「なるほど。え、優さんってゴブリン七体を一気に相手できるんですか?」
「まぁ、そうですね」
「凄いじゃないですか!順位が二桁のパーティは大抵ゴブリンと二対一ができるかどうかなのに」
「いや、でも己喰さんほどではないですよ。噂では一斉にゴブリン三十体近くを相手にしたとか」
噂によると未探索の迷宮へ行ったときに、その迷宮自体に方向感覚が分からなくなる魔法がかかっていて全員がはぐれて、その中で起きた事件らしい。
「あー、そんなこともありましたねぇ。でも、私より体面が得意な人はたくさんいますよ?例えばその2の遊上先輩とか」
「あぁ、体面最強の人ですよね」
「そうですそうです。あの先輩とは何度か一緒にパーティを組んだことがあるので」
「え、そんな機会があるんですか?」
「うん。順位が一桁の攻略部は、パーティ混合で戦うってのをするんですよ」
「なるほど」
至高の人員で作られるパーティでのドリームマッチ。一度は見てみたいものだ。
先よりも形になってきた雑談をしながら、六架のいる場所へと向かう。
普段通りの緊張感のない会話で自分の心が振れないよう保つ。
「あ、あそこが六架さんが居るところですかね?」
【うん、見えてきたね。……あれ?あそこが六架君がいる場所だよね?】
その言葉を最後まで聞くことなく、僕の体は走り始めていた。
その白の空間で、六架が倒れていたから。
誠心誠意お話描きます。
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たのむ~




