心強い援軍(一騎当千)が来る話
【なんだいそんなに慌てて。確かにさっきまで心ここにあらずのようだったけど】
「ちょっと考え事をしていて。というか、来るって誰がですか?」
【片喰己喰君。優君は己喰君の事を知っているかな?】
「そりゃあ迷宮攻略部の中でも屈指の実力者なんで、名前くらいは。そもそも迷宮攻略部その7なんてところに居れば、誰に聞いてもあぁあの人ね。なんていう風になると思います」
片喰己喰。先の途野さんの能力の説明にも挙がっていた『身体能力強化』のパッシブスキルを持っている。
そして、そのパッシブスキルを使って自身の所属しているパーティを迷宮攻略部その7まで連れて行った人間。
因みに、三十一ある迷宮攻略部にはランキングがあり、後ろについている数字がそのまま順位となっている。
つまるところ、片喰さんのパーティは七位の実力がある。
【時に優君。己喰君の強さの秘訣を知っているかな?】
「いや、そこまでは。というか、何で片喰さんを呼んだんですか?」
【まぁまぁそんなに焦らないで。呼んだ理由は強さの秘訣と関連しているから話題に出してるんだよ】
「そうなんですか?」
【うん。ちなみに己喰君の強さの秘訣はオートファジーによる限界突破だね。オートファジーについては知ってるよね?】
「えー……細胞が飢餓状態の時にたんぱく質をエネルギーにする作用でしたっけ」
【うーん。まぁそんなもんだね。それを意図的に起こせるのが己喰君の特殊な所なんだ】
「意図的に?」
【うん、意図的に。で、それを飢餓状態でもなんでもないのにそれを起こすことで、自分の力の限界を乗り越えることができるんだよ。今回はその力を借りて瓦礫をどかそうと思ってね】
「限界を超えるって、界王拳的な事ですか?」
【うーん、漫画で例えるならトリコで良いと思うよ】
まんまオートファジーがあるからね、と返される。正直、漫画の事は良く解らない。なんていう風に返されると思っていたので、少し驚きだ。
そんなことを考えていると、ぴこんと機械音が鳴り、途野さんがパソコンを確認する。
【さて、そろそろ来るみたいだね】
その言葉と同時に、後ろの扉がバンと開く。
「すいません、遅くなりましたぁ!」
背中から聞こえる女声。名前からして男だと思っていたので少し驚きながらも、声の元を確認するためにぱっと後ろを振り向く。
飲み込まれそうなほど深い黒の髪に映える、優しい桜色の目。
その目の近くには小さな泣き黒子が
白とピンクで構成された、触り心地のよさそうな起毛のフード付きのルームウェア。起き抜けで何も用意せずにここまで来たことが容易に想像できる。
「え、この子誰ですか?」
【あれ、言っていなかったっけ?この子が『普遍的日常』の双宮優君。あれ、君たち同学年なのにあったことがないのかい?】
「まぁ、会ったことはないですね」
「え、恥ずかしい!ちょっとことさん、先に言っておいてくださいよ!」
「ことさん……?」
【あぁ、それは私の渾名だよ。途野理のことわりを略してことさんって所かな。優君も呼びたかったらこの呼び方で読んでもらって構わないけど?】
「いや、遠慮しておきます」
今日あったような先輩をそんな渾名で呼べるわけがない。
僕はそこまで心臓が強くない。
「ごめんね優君、ことさん。ちょっと待っててね!」
そういって片喰さんは扉の外へと出ていく。
【優君がいることを言ってなかったみたいだ。これは悪いことをしたなぁ】
「絶対思ってないですよね」
【いやいや、この学校の生徒会長としてこの学校の人を無下に扱うことはしないよ。もちろん、君の友達である六架君も助けてみせよう】
「そこの部分はほんとによろしくお願いします」
そんな茶番と約束を交わして時間が過ぎていく。五分ほど経っただろうか。また力強く扉が開き、
「お待たせしました!優君、どうぞよろしくね?」
と元気良く入ってくる。
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なのでよろしくお願いします。
たのむ~




