独白
【まず初め。人間は誰しもパッシブスキルを持って生まれてくる。例えば魔法強化とか物体誘導、それに潜在能力の強化、身体能力の強化とかだね。君の元居たパーティにもこれらの力を持った人はいたんじゃないかな?そして大前提として、優君は『幸運』のスキルを持っている。そしてそれは特殊なもので、不幸が寄り付かなくなるっていうものだよね?】
【そして、不幸が寄り付かないっていうのの程度は、偶然不幸が降りかからないもの。偶然靴ひもが切れたり、偶然パソコンがクラッシュしたり、道端で転んだり、偶然書類の不備が出たり。そんなものが生じないって所だよね】
【うん、それならよかった。それじゃあ話を始めようか。君はまず六架ちゃんに誘われてあの神社に侵入した。初めはコトリバコなんて呪いの代物が、学校の中のあんな寂れた神社の中に本当にあるのかと半信半疑。いや、九分九厘無いと思っての探索だったけれど、社の中にあるものをくまなく調べた結果、本当にあるかもしれないという風に考えた。まぁ実際あった訳だね】
【で、それの瘴気に中てられた優君は、私含めた生徒会活動部がかなり慎重かつ厳重に封をしていたものを全部突破して、あの扉を開けてしまった訳だ】
【いや、責めてるわけではないよ?むしろこちらが甘かった。次からは封を二重にかけておかないといけないね。ちなみにあの封。まぁいわゆる呪いは内側からが強けれど、外側からの力には弱くなるっていう風に制約を掛けて作っていたんだ。制約が重いものであればある程、力はより強くなるからね。藁人形の呪いみたいなものだ。藁に釘を打つだけで相手を殺せるけど、もしそれを実行しているときに他人から見られたらその時点でその呪いは自分に帰ってきてしまう。そういう制約がついているからこそ藁人形の呪いは強いんだ。あの部屋の呪法百禁にも、制約を掛けた呪いは強い。なんて書いてあったりするかもね】
【あぁ、話がそれてしまったね。閑話休題。そして、あの扉を開けた時にとうとう自制心が完全に効かなくなってしまって、その部屋へと踏み込もうとしたわけだ。その時、自分がどうなったかって覚えているかな?】
【うーん、踏み込もうとしたところを後ろから引っ張られて転んだ。そこじゃない。そこの少し前だね。君はきちんとその場面を描写していたはずだよ。なんてったって私に話した時にも君はその情報をくれた訳だから】
【思い出せないかい?そういえば優君はあんまり物事とか、その日あった人の名前とかも覚えていられないんだっけ。それならまぁ私の方から言おうか】
【君はその部屋に入る前に転んだはずだよね?】
【不幸が寄り付かない君が転んだんだ。これは明らかに人為的。だって君は幸運の力で転ばないはずなんだから】
【君が転ぶとすれば可能性は主に二つ。誰かがーーー】




