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『悪役令嬢は破滅の運命を買い取り、世界を支配する  作者: 谷本遥叶


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第6話 『運命市場の支配者』

……これが、本当に”運命”?」


アリアの前には、誰もいないはずの空間が歪み、黒い天秤が浮かんでいた。


その天秤には無数の光が吊るされている。


赤い光。

青い光。

黄金色の光。


一つ一つが、人間一人の”未来”だった。


『ようこそ、運命市場へ』


頭の中へ直接響く声。


姿は見えない。


しかし、その存在だけで背筋が凍る。


『君は資格を得た』


「資格?」


『運命を買うだけでは終われない』


『これからは売る側になれ』


アリアは目を細めた。


「……つまり?」


『世界には運命を管理する者が存在する』


『そして、その席が一つ空いた』


その瞬間だった。


天秤の一角が砕け散る。


誰かが死んだ。


いや――


“管理者”が消えた。


「まさか……」


『君が後継候補だ』


静寂。


世界には王がいる。


皇帝がいる。


神官がいる。


だが、そのさらに上。


“運命そのもの”を管理する存在。


そんなものがいたなど、誰も知らない。


『だが、他の管理者は君を歓迎しない』


「当然ね。」


アリアは小さく笑った。


「私がルールを壊す側だから。」


すると目の前に文字が浮かぶ。



【新たな運命を確認】


■王太子 レオン


死亡率 73%


原因


【裏切り】



「……誰が?」


文字が変化する。


そこには見覚えのある名前が浮かんだ。


“聖女エレナ”


アリアは息を止めた。


「ありえない。」


エレナは優しい少女だ。


ゲームでも誰より人を助ける存在だった。


そんな彼女が裏切る?


その瞬間。


文字がさらに変化する。


【注意】


現在確認している未来は


“誰かによって改ざんされています”


アリアの瞳が鋭くなる。


「未来を書き換えている人間がいる……。」


それは自分だけではなかった。


運命を書き換える者。


いや――


運命を”偽造”する者。


『見つけなさい』


『さもなくば』


『世界は終わる』


景色が消えた。


気付けば執務室。


額には汗が流れている。


コンコン。


「お嬢様。」


執事クロードだった。


「緊急報告です。」


「入って。」


彼は珍しく青ざめていた。


「王城から使者が来ています。」


「内容は?」


「王太子殿下が毒を盛られました。」


「……!」


アリアは立ち上がる。


まさか。


さっき見た未来が。


もう始まっている。


「犯人は?」


クロードは静かに答えた。


「聖女エレナ様です。」


部屋の空気が凍りつく。


アリアだけが首を横に振った。


「違う。」


「これは罠よ。」


「誰かが未来ごと書き換えている。」


その瞬間だった。


窓ガラスが砕け散る。


黒衣の男が音もなく部屋へ降り立つ。


仮面をつけた男は、ゆっくりと拍手した。


「さすがですね。」


「ここまで気付いた人間は、あなたで二人目です。」


「誰。」


男は静かに笑う。


「自己紹介を。」


「私は運命管理局・第一執行官。」


「あなたを処分しに来ました。」


そして男の手には、アリアと同じ”黒い契約書”が握られていた。



あとがき


最後まで読んでいただきありがとうございます!


ついに「運命を買う力」の正体と、それを管理する組織が姿を現しました。

次回はアリアと運命管理局・第一執行官の激突。そして聖女エレナに仕組まれた濡れ衣の真相も明らかになります。


「続きが読みたい!」と思っていただけたら、ぜひブックマーク・評価・感想をよろしくお願いします!

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