第13話 運命管理局総攻撃
王都の空に、十三人の仮面の人物が並ぶ。
全員が黒いローブをまとい、感情のない視線をアリアへ向けていた。
「対象確認。」
「契約者アリア・フォン・ルミナス。」
「管理局総司令部の命令により、直ちに処分を執行する。」
その声は一人ではない。
十三人が同時に口を開き、まるで一つの存在が話しているようだった。
王都中の人々が空を見上げる。
兵士たちは震え、その異様な光景に誰も動けない。
「これが……運命管理局。」
アリアは契約書を握りしめた。
これほどの相手を前にしても、不思議と恐怖はなかった。
あるのは、絶対に負けられないという覚悟だけ。
「クロード。」
「はい。」
「住民の避難をお願い。」
「ですが、お嬢様は!」
「大丈夫。」
アリアは微笑んだ。
「私は、一人じゃないから。」
その言葉を聞き、セレスティアが一歩前へ出る。
白銀の騎士も剣を構えた。
さらに王城からは近衛騎士団が駆けつけ、王太子レオンも剣を抜いて姿を現す。
「アリア!」
「遅くなった!」
アリアは少しだけ驚いた表情を見せる。
「毒は?」
「君のおかげで助かった。」
レオンは笑いながら剣を構えた。
「今度は俺が君を守る番だ。」
その瞬間、管理局の一人が右手を掲げる。
空に巨大な魔法陣が展開された。
「対象地域。」
「王都。」
「不要と判断。」
次の瞬間、魔法陣から無数の黒い光が降り注ぐ。
一撃ごとに建物が消え、地面が抉られていく。
まるで街そのものを地図から消し去ろうとしているかのようだった。
「こんなの……!」
アリアは契約書を開く。
だがページは動かない。
先ほど入った亀裂はさらに広がり、能力がうまく発動しない。
「まずい……。」
その時、セレスティアが静かにアリアの肩へ手を置いた。
「まだ諦めてはいけない。」
「あなたには、もう一つだけ残された力がある。」
「もう一つの力?」
セレスティアは契約書の最後のページを開く。
そこには今までなかった一文が浮かび上がっていた。
【最終契約 使用条件達成】
その文字を見た瞬間、管理局の十三人が初めて動揺した。
「まさか……。」
「その契約は存在しないはずだ!」
アリアはゆっくりと契約書へ手を伸ばす。
そして、小さく呟いた。
「ここからが、本当の始まりね。」
次の瞬間、契約書は黄金の光を放ち、王都全体を包み込んだ。




