↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/132

総力戦。

…………夜の路地裏で、憎き機械獣シュワルツ・カッツと相まみえた麻衣!


闘いの火蓋は切って落とされた!!


人とは違う、獣特有の習性を生かし開発された戦闘アニマロイド……シュワルツ・カッツは。

その動きの俊敏さと柔軟さで麻衣を翻弄するかに見えた。


だが、それも戦闘ヒューマノイドの麻衣には見切ることが出来た。


麻衣の電子頭脳がシュワルツ・カッツの行動パターンを習得した後、まるで達人のクレー射撃のように”標的”を打撃する!


地面を脚で蹴って走り回る際は俊敏に方向を変えられるが、空中へ飛び上がった際にシュワルツ・カッツは方向を変えられない。

飛び上がる度に拳やキックといった麻衣の打撃技を食らい続け、体内のダメージも蓄積していった。


業を煮やしたシュワルツ・カッツ。

自身の必殺技・8,000ボルトのアーク放電を発するべく、予備放電開始!


麻衣も決着を付けようと、クリティカル 電 デモリッシュ への態勢を取る。


そこへ突然、白い塊が横切った。


ニャーミーだ!

飼い主の麻衣を案じて、助太刀に来たのだった。

動きの鈍いながらも攻撃のポーズを取り、勇敢に立ち向かおうとするニャーミー!!


「ニャ〜オ〜〜〜〜!!」


ギシャー!!


そんなニャーミーへ

”飛んで火に入る夏の虫”

と言わんばかりに襲いかかるシュワルツ・カッツ!

さすがに運動神経の良くないニャーミーでは太刀打ちどころか、逃げるのすらままならない!!


「ニャーミー!!」


かばおうとする麻衣も間に合わない!

ニャーミー危機一髪!!


そこへ!


グギァァァァァァァ


何者かの飛び蹴り一閃!

シュワルツ・カッツは吹き飛ばされる!!


「エリック!!」


戦闘ヒューマノイド姿のエリック=ティーチャーだった!


「カイ、ヌシ、ノ、セキニン、ハタス!!」


エリックは言ったが、麻衣は見抜いていた。

彼が本調子でないまま、研究室を抜け出して来たことを!

シュワルツ・カッツに飛び蹴りを一発お見舞いしたエリックは、そのまま片膝を付いていた。


「エリック!

アイツの相手は、わたしするからエリックはニャーミーをお願い!!」


「……ワカタ!」


エリックはニャーミーを抱き上げ、電信柱の影で麻衣を見守る。


シュワルツ・カッツは麻衣の標的になるのを恐れ、且つ有効にアーク放電を浴びせるタイミングを伺うかのように動き回る。


打撃技と違い クリティカル 電 デモリッシュ も、ある程度相手に照準を定められる状況でないと的を外してしまう。


(何かに釘付けにしないと!)


膠着状態が続いた。


と、シュワルツ・カッツが何かに噛み付きアーク放電を開始!


黒い甲冑姿、流れる金髪。

またしても突如現れた華裏那だった!!

華裏那は自ら差し出した右腕に

シュワルツ・カッツを噛み付かせ、動きを止めている!

以前解説済みだが、華裏那の纏う装甲は発電所の高電力をも通さない強力ラバーで出来ている。


しかし、麻衣は躊躇する。


クリティカル 電 デモリッシュを命中出来たとしても、その誘爆で華裏那もタダでは済まないだろう……そう思うと技を繰り出す決心が付かない!


そんな麻衣に華裏那は、アーク放電を浴びながら促す。


「早くしな!

何グズグズしてる!?

そんなことだから、あなたはあたしを越えられないのよ!!」


もはや猶予は無い…………麻衣は覚悟を決めた。

両腕をクロスさせて構える。


クリティカル!


電!


デモリッシュ!!



麻衣の両腕から放たれた、クリティカル 電 デモリッシュ は。

華裏那の腕に噛み付いたまま無防備となっている、シュワルツ・カッツの背面を直撃!!


たまらず断末魔の悲鳴が上がる!


ギアアァァァァァァァ


ドッ

ドドーン


シュワルツ・カッツの最期!

自らが昇圧回路となり誘爆を起こし、木っ端微塵に砕けて果てた!!


……華裏那は。

爆発直前に空中高く跳躍した為、無事であった。


「あらよっと」



イスロの送り込んだ”世紀の化け猫”

シュワルツ・カッツとの闘いは終わった。




「……ちょうど面子が揃ったんで、あたしから皆に言いたいことがあるの。

いい?」


ニャーミーを抱いたエリックが電信柱の影から出てくると、音頭を取るように華裏那が言った。


「…………麻衣。

あなた、イスロを知ってる?」


珍しく華裏那に自分が名前で呼ばれたことで、麻衣は意外に感じた。


「…………うん。

この件があって、初めて知った」


麻衣は”コマンドのことは?”と訊きたかったが……今までと何か雰囲気の違う華裏那の話を聞くことにした。


華裏那は続ける。


「あたしね………前々から、どうしても信頼しきれなかったの。

あの組織がね。

ティーチャー、あんたも災難だったわね」


華裏那に労らわれて、エリックも少し照れくさそうにした。


「セッカク、カワイイネコチャンGetシタ、But!!

ヒドイメ、アッタ!!」


麻衣も、改めて憤りが込み上げて来た。


「ホントにそう!

エリックを騙したのもそうだし、何の罪も無い、たくさんの猫ちゃんやワンちゃんの命を奪って…………

絶対許せないわ!!」


激昂する麻衣に華裏那は言った。


「……………麻衣。

あなたを標的にするというコマンドにも、もう従わないことにしたいの」


え!?

と目を見開き、耳を疑う麻衣。


「…………華裏那。

どうして?」


華裏那は、少しバツの悪そうな笑みを浮かべながら話す。


「まあ……

そうゆうことも含めて、どこか皆と話せる場所へ移動したいんだけど、どう?」


こうした機密性の会話をするには、余程客足の無い店に入るか、会議室等を借りるしかないが。

そもそもが飲食も出来ないロボット達であり、店には入れない。

猫まで連れている。


麻衣が提案する。


「じゃ、ウチに来ない?

お母さんに連絡するから」


麻衣は時刻を確認する。

もう、23:00を過ぎていた。

母親の美枝に電話すると、まだ就寝はしていなかった。

それもそうだ、”猫型殺戮兵器”を退治すると家を出た娘が心配で、帰宅を待っていたのだ。

こともあろうに、ニャーミーまで付いて行っている。

麻衣の無事を知りホッとしたのも束の間、これから

”戦闘ヒューマノイド一座”

が家に来ると聞き、電話の向こうで仰天する美枝!


…………とにかく、一行は夜の街を来迎寺宅へと向かった。



〈総力戦・完〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。