胸騒ぎのハロウィン。
♫ピロロン♫
毎朝6時、スマートフォンに起こされる。
剣持刑事37歳の1日は、由美香とのLINEで始まるようになっていた。
(おはよ!!ちゃんと起きてる?)
千葉のF橋市に住む由美香は、都内にある私立高校まで通うのに片道1時間近くかかる為。
平日朝は早めなのだ。
剣持
(おはようございます
由美香ちゃん)
由美香
(お仕事夕べも遅かったの?
なるべく早めに休んでね!!)
由美香もすっかり女房だ。
由美香
(もうすぐハロウィンだね!
パンプキンケーキ作ったげるよ)
剣持
(え?そんなの作れるの!?スゴい!)
由美香
(へへ、こう見えてお菓子作り好きなんだ!!食べるのもね笑)
毎朝、こうしてLINEを交わしているうちに剣持も目が覚めてくる。
目覚まし時計の音よりも、こうした由美香とのやり取りの方がイイ感じで1日が始まるのを知った剣持。
”カノジョ”の存在というのは、それだけでも有り難いものだと痛感したのだった。
剣持
(そっか〜!
パンプキンケーキ作ってもらったら、一緒に食べたいな)
由美香
(ウン♡剣持さんのアパートでね♡)
…………え!?
と剣持は思い直す。
そうだ、お店で頂くわけではないから当然どちらかの自宅で…………となるわけだ!
前から由美香は剣持のアパートへ来たい!来たい!とせがんでいたのだが、如何せんミニカーのコレクションで埋め尽くされ足の踏み場も無いという理由で”保留”としてもらっていた。
もしや、これは由美香の”強行突破作戦”でもあるのだろうか!?!?
剣持は期待なのか、警戒なのか、自分でも分からない感情でソワソワし出すのであった!!
…………その頃。
イスロ日本支部の職員が、エリック=ティーチャーのマンションへ黒猫=シュワルツ・カッツを届けに来ていた。
「Ah〜〜〜!!!
ネコチャン、カワイカワイ〜〜〜♡」
エサもトイレも要らない、といった時点で普通は変だと気付くのだが……………
文字通り"猫可愛がり”に、抱き上げて頬ずりするエリック=ティーチャーの腕の中で。
シュワルツ・カッツの瞳が、怪しく光っていた!!
〈胸騒ぎのハロウィン・完〉




