ユーは何しに日本へ?
…………麻衣の居る学校のキャンパス内で。
何者かによって発せられた
「タスケテ」
のコールサイン。
それに反応した二人=2体のゲリラ式戦闘ヒューマノイド、麻衣とエリック。
二人は附属大学校舎の屋上で相まみえる。
「ワターシ、タターカイタクナイデース!」
エリック=ティーチャーの見せた態度は、麻衣を拍子抜けさせるものだった。
確かに麻衣の電子頭脳でも、現在、相手の戦意・殺意はゼロと診断した。
彼が麻衣の通う高校へ赴任されて来た日に電子頭脳が感知した疑惑。
それを警戒しながら麻衣は過ごして来た。
(きっと、この個体も華裏那と同じように。わたしを付け狙うコマンド=指示を見知らぬ組織から受け、送り出されて来たのだ!)
とばかり思っていた。
「………じゃあ、アンタは何しに
ここへ来たわけ?
まさかラグビーする為じゃないよね」
ティーチャーも麻衣の態度が少し柔らかくなったので、ホッとする。
「ラグビー、Really fun (本当に楽しい)!!
チームメイト、Very, ナカヨーシ!
ワターシ、ウレシイ!!」
エリックは続ける。
「My ボス、ワターシニ、イッタ!
トレーニング、シテコイ、イッタ」
「トレーニング?何の?」
「ミンナート、ナカヨーシ!ナル、トレーニング、シロ!
Myボス、イッタ!!」
ティーチャーの言ってることに、ウソは感じられない……………
これまでの日々を思い起こせば、麻衣も確かに頷けた。
(それにしても、何なの?その組織。
わたしを破壊しろとか命令しときながら、今度は仲良くしろ?わけわかんない)
麻衣は混乱したが。
イスロがティーチャーへ下したコマンドの内容の実際は、こうだった。
”派遣先に於いて一定期間を問題無く潜伏する作戦を遂行する。
その為に最良の手段を自ら考え出す。
例えば親睦を深める等”
この、最後の”親睦を深める”という部分だけをティーチャーの自律プログラムAIがフォーカスした結果、それが”仲良くする”という認識を与えたのだった。
「…………まあ、いいわ。
ところで、この場所へ来たってことはアンタもコールサインを聞いたわけ?」
「Oh!! ザッツ
モストインポータントデス!」
「やっぱりね。
けど…………ここ、誰も見当たらないね?
確かに発信源なんだけどな」
「ココデナク、ココ丿
nearby place(近い場所)カモ!
レディ!
What's your name?」
え?
まだ気付いてなかった!?
麻衣は、とっくに正体バレバレと思っていたが”レディ”と呼ばれるのも、なかなかイイかも♫とも感じた。
(けど、どーせすぐバレるんだし)と。
「わたし、麻衣よ!気付かなかった?」
ティーチャーは驚いた様子も無く
「チョトダケ、キヅイタ!
But!So beautiful ダカラ
チョトダケ、キヅカナイカッタ!」
麻衣は外国人のリップサービスに気を良くする。
「じゃ、一緒に探そ♫」
「Got it!! マカセナサーイ!」
おかしな?戦闘ヒューマノイド・コンビの誕生だ!
…………ところで。
麻衣は重大なことを忘れていた。
トイレに行く、と教室を出て1時間になろうとしていた!!
〈ユーは何しに日本へ?・完〉




