08 オリビアの兄
「なんでいるんだ?」
オリビアとシイカが、テーブルに座っている。
「殿下、お茶でございます。」
「シイカ、あなたのお茶は、いつもおいしいわね。」
お上品にティータイム。
「無視すんな!」
「悠弥がいけないのよ。今日は、自分たちで用意しろなどと、血も涙もない事を言うからです。」
「そうですよ、悠弥殿。あなたは、あのような料理を提供した罪は重いです。」
「悠弥、私を弄びましたね。」
「言い方!!」
「あー、悠弥殿。私は、殿下がこんなにも悲しんでいる姿を、我慢できません。あぁ、お労しや、殿下、あぁ。」
シイカ、三文芝居が過ぎるぞ。
「分かったよ。兵士を呼べ。」
「本当ですか!では、さっそく用意させましょう!」
外に出ると、周囲を兵士が囲っていた。
「お前らもか、、、」
俺は、すばやく準備し、料理を提供した。
「悠弥、これは何という料理ですか?」
口に頬張りながら、こちらを見るオリビア。
「カツだよ。食いながら、話すな。」
「分かりました。」
飲み込む前に、口に運ぶ。
「だから、食いながら、話すな。」
こうして、王都までの道程は、順調に進んだ。
王都まで少しの街道沿い。
「悠弥、そろそろ王都が近いです。準備してください。」
馬車に兵士が来る。
「報告致します。王都入り口前に、王国軍と思われる軍隊の展開を確認しました。いかがしましょうか?」
面倒な事になってる。
「向こうも私たちに気付いているはずです。何か動きはありませんか?」
「はい。今のところ、門の前から、動く気配はございません。」
「分かりました。こちらから、伝令を送りなさい。」
「はっ、すぐに。」
ほんとに王女様なんだな。ちょっと見直したが、伝えると調子に乗りそうなので、黙っておこう。
しばらくすると、兵士が戻ってきた。
「報告します。門前に展開している部隊は、ケイル殿下の命で動いている第13師団だと判明。」
「相手の要求は、何と言っていますか?」
「森の支配者を渡せとのこと。」
森の支配者って、俺の事か?
「なぜ、あの人は、短絡的な思考しかできないのでしょうか。拒否した場合は、なんと?」
俺の危険察知が反応した。
「オリビア、すまん!」
俺は、馬車を飛び出し、王都の方向を見た。
「バカ野郎。短絡的で、短気とか救えないな。」
俺は、”魔力防壁”を展開する。大きな魔法陣が前方に展開。
「悠弥!」
オリビアが馬車から顔を出す。その瞬間、王都の方向から、火の玉が無数に飛び込んできた。
「自分の妹もお構いなしか。」
シールドで爆発する火の玉群。オリビア軍の兵士は、奇襲に混乱した。
「動くな!!」
大声で、兵士を落ち着かせ、オリビアのところに行く。報告していた兵士に現状を聞く。
「おい、国王は何やっているんだ?」
「はい。陛下は現在、カシリア公国に赴き、建国祭にご臨席です。」
「野放しになった駄犬ほど、やっかいなもんはないな。」
「悠弥!大丈夫ですか?」
「あぁ、向こうの攻撃は、俺の魔法で対処できる。オリビアが動かせる軍は、どれくらいだ?」
「私の軍は、ここにいる戦乙女だけです。」
「数は?」
「20程です。お兄様の軍は、正規軍の第13師団。数は2000を下らないと思われます。」
俺は、頭を抱える。
「じゃぁ、王子様は、正規軍を勝手に動かしたあげく、妹を殺しかけてると。」
一息落とし、
「オリビア。兄さん、ぶん殴っていいか?その変わり、これが終わったら、うまい甘味を食わせてやる。」
「くっ、、、本当は、こんな事は、、、お兄様、ごめんなさい。私は、悠弥に逆らえません。」
オリビアが悩んでる”そぶり”を見せる。
「苦渋の決断ですが、ぶん殴ってください。でも、兵は、、、」
王女が、そんな汚い言葉を遣っちゃダメです。
「オッケー。兵士は、気絶してもらうか。それじゃ、行ってくる。」
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