05 野営もチートで楽勝だ
定番のチート能力って、欲しいよね
次の日、4人で朝食を終え、
「今から王城に行くぞ。場所は案内してくれ。」
俺たちは、出発する。
歩いて、2日目。前から、馬車が見える。
「あれは、王女殿下の馬車です。」
またあのお転婆姫か。馬車が止まると、王女が出てきた。俺以外の3人は跪く。
「よい。楽にせよ。おぉ、時任。何やら、うちの兄上がやったようですね。」
「刺客を送ってきた。」
「その後ろの3人か。あなたの従者のようではないか。」
「殿下!そ、そのようなことは。」
「冗談よ。でも、失敗したってところかしら?」
3人は何も言わなかった。任務失敗がどういう事を意味しているかを理解しているからだ。俺が帰した刺客も、今はどうなっているか分からない。そんな雰囲気を感じとったのか、王女が口を開く。
「安心しなさい。時任が帰してくれた子は、私が保護しています。兄は、あなたを無理やり従わせようと、兵を集めています。」
「王族って、面倒だな。」
「そうですよ。面倒なので、友達になっておいて、損はないですよ。」
「それも面倒だ。」
俺の言葉に、王女は頬を膨らませる。
「できれば、手加減をお願いいたします。さぁ、時任、行きましょう。」
俺は馬車に乗せられ、王女とその護衛で、3人となった。
「さて、時任。」
「悠弥な。俺は貴族でもないから、家名で呼ばれるのは、気持ち悪い。」
「あら、そうですの?では、悠弥。この度の兄の所業について、王家を代表して、謝罪いたします。」
「気にするほどのことでもないよ。ただ、釘だけ刺しておこうかと思ってね。」
「兄は、私に王位継承権があることを疎ましく思っております。今回の件は、私があなたに会った事で、力を付けられたくない兄の嫉妬によるものです。巻き込んでしまって申し訳ありません。」
「正直に言えば、そこまでは怒ってないけど、しつこいのも嫌だから、少しお灸を据えるだけだ。ただ、相手の出方次第ではあるけどな。巻き込まれた事に怒りはないよ。王女が来た時点で、そういう問題が起こることは、明白だからな。」
「オリビアです。私と親しい人は、みんなオリビアと呼びます。」
「分かった。オルリベイラ王女殿下。」
「意地悪しないでください。」
馬車は、街道を順調に進む。野営の時、俺はボックスから、床や壁を出し、組み立てて、プレハブのような家を建てる。
「悠弥、これは何ですの?」
「んー、簡易宿泊所?」
「これは宿なのですね。中を見ても良いかしら?」
「最低限のものしかないから、面白くも何ともないぞ?」
オリビアの驚きの声が聞こえてくる。
「悠弥、これがベッドですの?これはトイレ、ここは、、、お風呂まで、、、一体どうなっているのですか?」
護衛が”殿下、殿下!”と振り回されている。
「で、私は、ここで寝ればよいのですか?」
「なんでだよ。これは俺の野営設備だぞ。」
「私は王女ですよ。」
「だから、どうした?オリビアの寝所は、兵士たちが容易してるじゃないか。」
「ここがいいです。」
俺がため息をつくと、王女は駄々をこね始める。
「ここがいいです。ここで寝たいのです。こーこーがー、、、」
これが本来の性格か。年相応の反応に、少し安心した。
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