人材募集中
-王城・国王執務室-
ドアがノックされる。
「陛下、お客様がお見えです。」
「来たか。ここへ案内しなさい。」
「かしこまりました。」
悠弥は人材確保のため、バルフェルトに相談しに来ていた。マジックシーバーで連絡を入れていたため、対応はスムーズだった。
今回は悠弥とオリビアの二人だけである。シイカは実家にも相談するという事で、王都にあるベント家屋敷に向かった。
「で、今回は人材が欲しいとの事だが、どのような人材を求めておる?」
「王家や貴族とは無縁なら、誰でもいい。」
「ふむ、、、それで有能とあらば、難しい話ではある。」
「だよな。王都で広く募集を掛けても構わないか?」
バルフェルトは悠弥の提案に少し困った顔を見せるが、
「それは許可しよう。本人の希望であるならば、それを止める事はない。」
話は順調に進み、勇者たちの動向も共有する。バルフェルトは宰相を呼び、人材募集の宣伝を王都で行うよう指示を出した。
「オリビアも元気そうで何よりだ。あとは孫の顔を見るだけであるな。」
「父上!今はそのような事を言っている場合ではないでしょう?」
オリビアは恥ずかしくて、赤くなっている。
「こんな時だからよ。勇者との戦いは苛烈な者になると思っておる。事が起こってからでは遅いのだ。」
バルフェルトは言葉を包んだが、悠弥やオリビアが戦死する可能性も無いわけではない。その時に後悔が無いように、今やれる事はすべきであるというアドバイスである。
「暗い話になっちまったな。バルフェルト、今回の礼じゃないが、これを受け取ってくれ。」
悠弥はボックスから、長剣を取り出す。
「この剣はなんだ?」
白く光り輝く剣。
「ブレサイトとディバネイトで作った剣だ。バルフェルトは剣術もいけるんだろ?これからの戦いで前線に出る事はないとは思うが、もしもの時に使ってくれ。」
「良いのか?この意匠といい、材料の金属といい、私がした礼にしてはこちらに利が多いぞ。」
「いや、こんな剣一本で有能な人材が集められるなら、安いもんだろ。人材は宝だろ?バルフェルトが一番分かってると思うんだがな。」
悠弥の言葉にバルフェルトは笑う。
「本当に貴殿は食えない男だ。もう少し見た目通りの言動と態度なら、簡単だったろう。」
「そんな俺だったら、こうまでしてはくれなかっただろ?」
「それもそうか。悠弥を我が国に遣わしてくださった女神ミーシア様には感謝しかないな。」
-悠弥拠点-
人材募集の御触書は、瞬く間に王都中に広がっていた。
”悠弥殿、人材募集の応募が殺到しております。”
ジャスタからの通信だった。
「今、何人くらいだ?殺到してるくらいだ、10人や20人ではないだろ?」
”何をバカな事を。500人を超えていますよ。”
さすがの悠弥もその数字には驚いた。
「500は多いな。何があった?」
”ほとんどが農夫ですが、移住希望が多いですね。”
「本当に村規模になってきたな。承知した。3日後に王都の屋敷に行くから、100人ほど、応募者を集めておいてくれ。」
”承知しました。こちらからも警備を付けましょう。”
通信を終える。
「悠弥、大変な事になりましたね。」
笑顔のオリビア。
「そんな顔で言われてもな。」
「戦乙女も順調に戦力を整え、悠弥の元に民衆が集まる。良い事ではありませんか。」
「人が増えれば、それだけトラブルも増える。俺の経験が圧倒的に不足してるんだよ。」
「コウショウ殿に任せればよろしいのでは?」
「全部をあいつに任せる事は出来ないさ。負担が大きすぎる。今回の人材に期待するしかないな。」
「これから、どんどん大きくなっていくためには、必要な事です。王都よりも繫栄する町を作ろうではありませんか。」
「簡単に言うなよ。」
悠弥は苦笑いするしかなかった。
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