まだ動けない
-無知なる森・悠弥拠点-
「悠弥殿、勇者たちが実戦訓練に入ったようです。」
コウショウが報告書を持って、悠弥の執務室を訪れた。
「まだ近隣に被害は出ていないか。」
「はい。現在、聖王国の南西部の森にて、モンスターを主体に狩りを行っています。」
「一回、ブレインに入るか?」
悠弥の提案に、少し考え込むコウショウ。
「それも手かもしれません。透破の情報によると、次は南西部に位置する村に向かうようです。」
「そこに何がある?」
「以前、モンスターの被害に遭い、今は住民もおりません。その実地調査らしいのですが、、、」
「何か引っかかるのか?」
「えぇ、その村は20年以上も前に滅んでおり、今さら調査しても何も出ないと思うのですが、聖王国側の意図が分かりません。」
「それも含めて、調査してもらえるか?」
「分かりました。」
コウショウは部屋を出ていった。
「一回、あいつに会っておくか。」
前回の神(仮)に会ってから、小さな神殿を作り、専用の部屋まで用意した。
-神殿・祈りの場-
「やぁ、元気にしてるかい?時任悠弥。」
「無駄な世間話をする気はない。まだ勇者どもを止めるタイミングはこないのか?」
「そうだね。もう少し時間が必要みたいだ。」
「今、止めてしまえば、勇者による最悪の被害も防げるんじゃないのか?」
「最悪の事態を防ぐために動くタイミングは、今じゃない。」
「その最悪の事態ってのは何なんだ?」
「それはいくつも用意されているが、私の権限ではそれを君に伝える事は禁止されている。」
「お前の上がいるって事だな。」
「そろそろ時間切れのようだ。あまり頻繁に会いに来ると、祝福が足りずに話す時間も限られるよ。」
「面倒なこったな。」
「私が君たちに助言するにも対価が必要だという事だよ。」
「神様じゃねぇのかよ。」
「君たちの未来のために、よりよい選択になるよう見守るよ。時間切れだ。」
悠弥は目を覚ます。
「結局、何も分からずじまいか、、、あいつよりも上がいる事が分かっただけでも収穫か。だが、俺が運命に左右されない存在だとあいつは言った。にも関わらず、干渉による未来の改変は望んでいる。何かが裏で糸を引いてる奴がいるか、、、」
-悠弥・執務室-
悠弥はコウショウともこの内容を共有する。
「どうも悠弥殿が相手にしている神というのは、我々が知る存在とは異なるように思います。この世界は女神ミーシア様が作られたと言われております。悠弥殿の話から受ける印象は男神だと推測できるのですが、いかがでしょう?」
「確かにそうかもしれん。」
「確かにこの世界にも男神を信仰する宗教は存在しますが、現状ではその正体を特定する事は難しいでしょうな。」
「どうも裏がありそうなんだよな。」
「今はその神とやら言う最悪の事態を回避するために、信じるしかないですね。」
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