剣崎優
-聖城内訓練場-
「そうです。剣崎どの、剣も様になってきましたな。」
「いえ、、、」
騎士団長に褒められて、満更でもない剣崎。この世界に来て、2週間以上が過ぎ、毎日が訓練だった。
元々、運動が嫌いではない彼にとって、少しでも集中できる事がある今の状況はとても助かっていた。
「では、そろそろ我が騎士団員たちと、模擬戦でも致しますか。実践に近い訓練は、とても勉強になりますからな。剣崎どのは、センスがおありですので、すぐに団員たちを追い抜きますぞ。はっはっはっ。」
-枢機卿・屋敷-
「剣崎優の状況はどうだ?」
「はい、彼はとても正義感が強く、誠実な性格のためか女性をあてがうだけでは、、、」
「ならば、聖女を当てればよい。正義感が強いならば、必ず守ろうとするであろう。」
「良いのですか?」
「ふんっ、我々に従わぬ聖女など、必要なかろう。勇者に聖女を付ければ、どれだけ自分たちが大切にされているかを勘違いしてくれよう。」
「では、そのように、、、」
セイルに一礼すると、騎士団長は部屋を出ていった。
-剣崎自室-
「剣崎様、お着替えのお手伝いをさせていただきます。」
「いや、自分でできるので、大丈夫です。部屋の外で待ってもらっていいですか?」
かしこまりました。と一礼し、女性は部屋を出る。
「どうもこの世界の常識にまだ慣れないんだよなぁ。」
ブツブツと文句を言いながら、着替えていく。
ドアがノックされる。
「剣崎様、お客様でございます。お着替えはよろしいでしょうか?」
外で待たせている女性である。
「あ、うん。入ってもらっても大丈夫です。」
静かにドアが開き、入ってきたのは剣崎と同じくらいの女性だった。
「初めまして、私はウルティナ・モンブローと申します。」
彼女は丁寧に一礼する。
「どうも、剣崎優です。あの、、、何かご用ですか?」
「この度、剣崎様の補佐役として、任命されました。これからは私と側仕え一名で、剣崎様のお世話を致します。」
「あ、ありがとうございます。でも、僕に気を遣ってもらわなくても大丈夫ですよ。」
「これも枢機卿セイル殿のお願いですので、主に私は戦闘面でのサポート致しますので、よろしくお願いしたします
。」
こうして、剣崎と彼女の共同訓練が始まった。
-聖城・訓練場-
「ウルティナ様、そのような事では、剣崎殿に付いていけませぬぞ!」
ランニング中の彼女に、騎士団長が檄を飛ばす。彼女も必死で足を上げようとするが、疲労で足が上がりそうになかった。
「ゲイブさん!彼女はもう限界です。少し休憩させてあげてください!」
剣崎が彼女を助ける。が、ゲイブは許さなかった。
「剣崎様、、、私は大、、、丈夫、、です。これも、、剣崎様を、、、補佐する私への試練です。」
彼女の健気さに、心を揺さぶれる剣崎優。
「でも、このままじゃ、、、」
「良いのです。私は貴方と共に世界に平和を、、、」
そう言うと彼女は、気を失ってしまう。
「剣崎殿、世界を救うためには、これくらいの訓練には耐え貰わねば、この先の訓練はもっと厳しいですぞ。」
(こんなの訓練でも何でもない。ただの拷問だよ。こんな少女に、、、)
世界を救うためと言い聞かせているが、ウルティナの事を考えると、、、心の葛藤に彼は苦しんだ。
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