霧島希愛
-聖都ハイゼン・訓練場-
勇者たちが訓練を初めて、1週間が過ぎた。
剣崎は、順調に剣術を修め、火車は相変わらず火魔法をぶっぱなすだけ。氷坂も水魔法と氷魔法の技術は順調に上がっている。
霧島は慈愛スキルを行使する場面が少ないせいか、未だ成長が見られない。ただ、身を守るために訓練している短槍術と盾術は向上が顕著である。
「今日はここまでにする。」
聖都騎士団の団長が終わりの合図を告げる。
「あー、かったりぃぜ。」
「腹減った~。」
「そうですね。お風呂の後に食堂に行きますか。」
男3人は各々に訓練を切り上げる。
「霧島殿、いかがされましたか?」
3人の後ろ姿を訝しげに見つめていた霧島に気付いた団長。
「いえ、私もお風呂に入ります。」
慌てた様子で、訓練を切り上げた。
-枢機卿屋敷-
「勇者たちの様子はどうかね?」
「はい。順調に訓練をこなしております。」
「霧島希愛は、あれからどうしておる?」
「今、国中の美男を集め、篭絡中でございます。彼女が落ちるのもすぐかと、、、」
セイルと騎士団長が良からぬ密談をしていた。
-大聖堂・風呂-
「では霧島様、お手伝いいたします。」
「や、やめてください。自分で出来ます。」
風呂に入るために、脱衣所に来た霧島だったが、美青年に迫られていた。
「と言われましても、枢機卿よりお手伝いせよとの事ですので、断られますと、私が罰を受けるのですが、、、」
優しい霧島の性格を突く。
「で、ですが、女性の着替えを男性が手伝うなんて、おかしいです。」
「この世界では、高貴な方の着替えを、下々の我々が手伝う事は常識なのです。」
青年は少し強引に迫り始める。
「やめてください。お願いします。せめて、女性を呼んでください。」
「それはできません。私には何の権限もありません。ただ霧島様のお手伝いをするだけです。」
その強引なやり方に抗うことができず、少しずつ脱がされてしまった。
「もうやめてください。脱ぎましたから、出て行ってください。」
「それは出来ません。お体を洗い流すまでが仕事でございます。」
青年が霧島の腕を取り、浴場へ案内しようとしたその時、
「やめて!」
掴まれている腕が光り輝く。
「うっ、、、」
青年は咄嗟に手を離したが、すでに遅かったようだ。
「腕が、、、うぅぅぅ。」
霧島と接触していた腕が逆方向に曲がっていた。
「どうして、、、」
霧島も理解していなかった。これが慈愛の力の一端である事に。
彼女は服を慌てて着込み、脱衣所を出ていった。
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