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【連載】異世界における特異点  作者: とぐさ
第一章 今より少しマシな未来へ
29/46

29 勇者召喚の儀

-拠点・屋敷内応接室-


「いよいよ、勇者召喚の兆しが見えました。やはりブレイン聖国が行うようです。」


 コウショウが状況を説明している。


 彼の集めた情報では現在、ブレイン聖国が大規模魔法の儀式をしているらしく、詳細までは掴めていないが、概ね召喚の儀で間違いないとの事。


 そして、この1年の間に周辺国へ工作も行っている。


「標的はイブリスか?」


「それがどうもはっきりしないのです。現状、イブリスとの国境は特に変化はありません。私の透破を用しても、その全貌が隠ぺいされるほど、厳重に守られているのです。」


「他に怪しい動きの国はあるか?」


「ブレインの次に警戒するべきは、カンサス自治区でしょうか。正確にはエルフ地区ですね。どうも聖国の密偵と会談した痕跡があります。」


 ブレインはヒューマン至上主義であり、他の種族は人類と認めていない。

 エルフと会談するとはどうした事だろうか?

 コウショウもそこが腑に落ちないと言っていた。


「これは私の憶測ですが、種族を越える黒幕がいるかもしれません。ドワーフやロギアマキナは、ブレインとの接触は無かったようですが、万が一を考える事も必要かもしれません。」


 この件に関しては、バルフェルトやガンダルの耳にも届いており、その対策や共同作戦も考えているという。


「それでは、1週間後に魔王ガンダル陛下が、ご遊覧に来られます。その時に、バルフェルト国王陛下と秘密裏に会談する予定ですので、私も参加し、これからの対応を協議致します。」


 さすがはコウショウだ。今まで自分で考えなければならなかった問題も、滞りなく進めてくれる。


「ですが、どのような事態になろうと、要となるのは悠弥殿、あなたです。私が協議に参加する前に一度、教会へ赴き、神託を授かっていただきたい。」


 確かに最近、教会に行ってなかった。


「そうだな。どうも俺はあれが神様なのかどうなのか分からないんだよな。」


「ですが、教会で一度は神託を受けたのです。我らが信じる神で無くとも、それに関わりのある神なのかもしれません。」


「とりあえず、教会に行って、ありがたいお話でも聞いてくるかな。」



-王都・教会-


「俺の意識が戻らなかったから、無理やりにでも起こしてくれ。」


「分かりました。」


 オリビアたちに見守られながら、俺は目を閉じる。


 目の前に広がる白く何もない空間。前に来た時と同じだ。


「やぁ、もう来てくれないのかと思ったよ。」


 また奴の声が聞こえる。今回は姿を現さないらしい。


「もう少し頻繁に来てくれるかと思ったんだけど、まさかこんなにギリギリまで来ないなんて、思いもしなかったよ。」


「御託はいいんだよ。それで今の状況でいいんだよな?」


「そうだね。概ね問題はないかな。少しずつ未来の内容は変わりつつあるようだよ。」


「そいつは良かった。」


「ただ、勇者が召喚されてから、すぐに行動に移すことはやめたほうがいいね。」


「なぜだ?弱いうちに叩けば、それで済むんじゃないのか?」


「勇者が強くならないと、また新たな勇者を呼び出される事になる。それが最悪の事態を引き起こすまで続くようだ。」


「初めて、未来の結果を教えてくれたな。」


「私も最悪の事態になって欲しくないからね。これくらいの予言は許してくれるさ。」


「そうすると、勇者たちがこっちに被害を及ぼすくらいの時期でいいのか?」


「その時には、ブレイン聖国も召喚の儀を行う余裕は無くなっているはずです。」


「分かったよ。それで俺の自由な生活が送れるって言うなら、やってやるよ。」


「頼みましたよ。それと、また私に会いに来る時は、簡単な神殿で構いません。祈りを捧げてください。」


「へいへい。」


 俺は意識を取り戻した。


「悠弥、大丈夫そうですね。」


「あぁ。拠点に戻って、コウショウに報告しないとな。」



-拠点・屋敷内応接室-


 コウショウに事の詳細を説明した。


「そうですか。では、こちらからは行動を起こさないほうが良さそうですね。」


「本当に未来を予見しているならな。」


「ですが、無視もできません。」


「俺だけじゃなく、皆が対処できるくらいだったら、いいんだけどな。」


「そこは心配していません。召喚者は、悠弥殿と違い、その強さは至天級に匹敵すると記録に残っています。勇者一人では、国を滅ぼすほどの力は有していないかと思います。ただ、この世界では強力な力を持っているので、実際の戦闘力は分かりませんが、悠弥殿ほどではないと考えられます。」


 能力は至天級でも、その恩恵で強力なスキルが備わっているって感じか。

 俺には強力な恩恵がいくつもあるが、それを無視するようなスキルがあると考えて、動いたほうが良さそうだな。


「では、以上の点を考慮しつつ、会談に臨むことにします。」




 3か月後、ブレイン聖国で勇者召喚が実施されたとの報告が届いた。

読んでいただきありがとうございます。


魔王が絶滅しないよう、応援のほど、よろしくお願いします。

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