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【連載】異世界における特異点  作者: とぐさ
第一章 今より少しマシな未来へ
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02 全部がチートだった

異世界に転生した時任悠弥。これから彼の冒険が始まる。

 意識はあった。地面に触れている体に、冷たさが伝わる。少しずつ視界が開ける。


「ここが異世界か。」


 しばらくすると、体の感覚が戻ってきた。周りを見渡すと、そこは森だった。


「嘘だろ。いきなり森か。しかも、どこだよ。」


 俺は、ステータスと唱える。


「・・・」


 何も起こらない。


「あいつ、スキルを与えるって、言ってたけど、ステータスを見えるようなスキルは無いのか。どうやって、スキルを確認するんだ。」


 色々と試してみたが、やっぱり分からなかった。


「とりあえず、この森が世界のどの辺りなのかを知りたいな。」


 現在地が分からないと、動くのも危険だ。スキルが他に無いか試してみるか、俺は自分が知っている限りのスキルを唱えた。


「全部、空振りか。どうやって、スキルを出すんだ。」


 まさかスキルとか無いわけじゃないよな?恐ろしい予感が頭をよぎったが、それと同時に、背中に突き刺さるような視線を感じた。


 ”気配察知”

 ”危険察知”


 俺の頭に浮かんでくる。何となく感覚で分かる視線の位置。背中に感じる感覚。


 スキルって、こういう感じで、分かるのか。とりあえず、十数体の何かに囲まれているのか。どうにかできるスキルを教えて欲しいもんだな。


 ”全魔法適性”

 ”魔法創造”


 定番チートスキル来たー!細かい説明も浮かんでくる。魔法は詠唱とかではないのか。イメージでやれるのか。


 俺は、燃えさかる炎が、敵に向かっていくイメージをして、手をかざした。

 手のひらから、魔法陣と思われる図形が出現して、火の玉が八方に飛んで行った。


-キャインッ-


 犬のような断末魔と共に、気配が消えた。


「全部やったか?」


 敵がいないか、慎重に確認して、鳴き声のしたほうへ向かう。


 この見た目は、オオカミか?それにしては大きいな。


 炎の威力が強すぎたのか、オオカミの死骸は、黒く焦げていた。前世で、殺生などした事は無かったが、不思議と嫌悪感は無かった。


 その死骸を見つめていたら、情報が頭に浮かんでくる。


 ”灰色狼グレイハウンド”。狼型モンスターなのか。


「食えないのかよ。しかも、まる焦げで、使えない。」


 思わず、口に出して、突っ込んでしまった。情報が分かるのは、ありがたいけど、もっと分かりやすくできないかな。

 前世で観たヘッドアップディスプレイをイメージしていると、目の前にそれが出た。


「うわ。」


 まじか。いきなりでびっくりした。魔法創造の範疇だったか。


 眼前に表示された情報は、そういう風に見せているだけだった。触ろうとしても無理だった。視界の違和感は、すごかったけど、便利さには変えられない。


 魔法も詠唱とかを試しているうちに、イメージが固まりやすくなったのか、詳細をイメージしなくても一定の威力で、魔法が使えるようになった。


 ”詠唱魔法”


 HUDに表示された。まだこの世界にある技術ではないっぽことだけは分かった。無詠唱もできるようになる。単語を思い浮かべるだけで、魔法が出てしまった。


 次は、水と食料の確保か


 HUDに地図が表示される。あるんかい。そう突っ込んだが、残念な事に、詳細な地図ではなく、ざっくりとしたものだった。縮尺もできない。


 川の方向は分かったので、そっちに向かうことにする。食料は、そのあとに考えるか。


 川に近づいてきた時、生物の気配を感じる。見つからないように、そっと近づき、木陰から様子を伺った。


「”土猪クレイボア”か、性質は、草食だが、極めて獰猛。肉は食料として最適か。」


 俺の3倍以上はあるかと思う猪がいた。


風刃カッター


 風の刃をイメージした魔法だ。不可視のため、回避が難しい。クレイボアの頭が、地面に落ちた。


「食料ゲット。、、、どうしよっか。」


 倒したまでは、良かったが、クレイボアの巨体を、どうするかを考えていなかった。だが、ここは異世界である。もちろん、定番のあれがあった。


空間収納ボックス


 世の中、便利になったもんだ。容量は、魔力に依存する。って分かっても、魔力の量が分からない。とにかく突っ込んでいくしかない。


 川に到着した。水の確保が出来たなら、次は生活拠点だ。川を起点に、周囲を探索すると、ほどよい大きさの洞窟があった。


 いい広さの洞窟だな。気配察知にも反応はないな。


 洞窟の周りの植物を、魔法で切り落とし、ボックスに収納していく。ベッドにするためだ。ある程度集まったら、それを重なるように敷き詰め、簡易なベッドにした。


 ”全製造”

 ”製造適性”


 ベッド作っただけなのに、チートスキルがまた手に入った。


 別に悪いことでもないので、気にしないことにした。お昼になり、さっき取ったクレイボアを解体しようと思ったんだけど、まさかの血抜きが必要だと分かった。

 サバイバル経験なんてないから、肉はそのまま食えるもんだとばっかり思っていた。


 クレイボアは、巨体のために、半日くらい置いておく必要があるらしい。腹減った。


 やることもないので、とりあえず洞窟の周りを探検していると、次々とモンスターの気配を見つける。基本的に魔法だけ簡単に倒せるモンスターばかりだったので、持って帰る。


 ドリルバードっていうモンスターを手に入れた時に、血抜きが簡単に終わることを知り、さっそく料理した。と言っても、焚火で素焼きだけど。


 水は土魔法で作った石の鍋で煮沸消毒して、水がめに入れて、収納した。


 水と食料、生活拠点ができたら、あとは生活レベルの向上だ。まずは食事に欠かせない塩をどうにかしたい。


「この洞窟の奥に、岩塩あるのか。食べる前に教えてほしかった。」


 洞窟の奥に、ピンク色に光る岩塩を発見した。少し奥を見ると、鉄鉱石もあるみたいだ。どうやら、この洞窟には、鉱石類が豊富にあるみたいだ。


 俺は手当たり次第に、鉱石を採掘して、HUDに表示されている時刻が22時を回ったところで、洞窟の入り口付近に戻り、血抜きをしていたモンスターを収納、そして、寝た。


 翌日、モンスターの解体や道具の製作、武器も作りたいと思い、川と洞窟に近い場所の森を切り開き、場所を確保した。


 材木は、全製造で、均等にカットし、錬成でハンマーと釘を作り、家1軒を完成させた。取ってきた魔法石という特殊な石に、水魔法や熱魔法を付与し、トイレやキッチン、お風呂に設置した。


 家の隣には、工房を立て、解体場も完備した。スキルがチート過ぎて、楽しくなってくる。


 家の周囲を塀で囲い、モンスターの侵入を防ぐと同時に、魔法で結界を張る。これで対策は万全だ。


 解体場で、モンスターを解体したが、スキル”全製造”で、簡単に終わる。血抜きも必要なくなった。その勢いで、武器と防具を作る。


 武器は、メインに刀と、サブに弓を作った。どちらも洞窟にあった鉱石と、森を探索した時に見つけた精霊樹とかいう木を利用した。


 防具は、鎧のような動きにくいものではなく、金属を繊維状にして、服を作った。


 食料は、肉だけは簡単に処理できるけど、野菜は自分で作るしかなかったので、畑を作り、森で採集した野菜を植える。スキルのおかげで、成長速度は早いみたいだが、数時間で出来るってほどでもなかった。


 異世界に来て、数週間が経過していた。

読んでいただきありがとうございます。


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