01 異世界転生
プロローグ(改稿版)
”時任悠弥”
43歳/男性/日本人。
趣味は、アニメ、漫画、ゲーム、料理、家庭菜園など、多岐にわたる。
現在、恋人はいない。だが、年齢イコールでもない。
休日出勤やデスマーチがあるようなブラック企業勤務でもない。
彼は恵まれていたと思う。
そこそこの才能に、そこそこの努力を重ね、彼の人生はうまくやっていた。
いわゆる器用貧乏というやつである。
30歳を迎え、結婚を考えていた相手がいた。
自宅も購入したが、破談となった。
結婚が破談になった日から、恋人を作ることもなく、自宅から職場を往復する毎日。
自宅では、庭の畑や花壇の手入れをし、アニメや漫画、ゲームをする休日だった。
43歳の誕生日を迎えた日、彼は自宅の火災でこの世を去った。
薄れゆく意識の中で、彼は諦めと心の片隅に残る少しの後悔を感じていた。
”君に後悔はなかったかい?”
次に彼の意識が戻った時、彼は暗闇の中にいた。
(俺、死んだよ、、、な?死後の世界って、本当にあるんだな。)
彼の最後の記憶は、炎に包まれた熱さと痛みだった。
少しの混乱は見られるものの、比較的冷静だった。
(体がない?宗教とか信じてないけど、魂ってやつか?)
そう、彼は魂だけの存在に昇華していた。体がないために、自分がこの場所に存在している実感が湧かない。
(この暗闇じゃ、どこにいるかも分からないし、そもそも動けるのか?)
そんな事を考えていると突然、周囲が白く染まる。
”時任悠弥、聞こえますか?”
その声はまるで頭の中に直接話しかけられているような感覚だった。
(なんだ?声が聞こえる。)
”聞こえているのですね。”
(えっ、あ、はい?)
”混乱しているかもしれませんが、聞いてください。”
(その前に、ここは天国なのか地獄なのか?)
”ふふふ、あなたは神を信じていないはずですが、そのような概念を持っているのですね。”
(いいから、あんたは誰なんだ?)
”いいでしょう。ここは生と死の狭間にある世界といったところでしょうか。私に関しても、それは貴方自身あるとも言えるし、そうでないとも言える存在です。貴方が持つ概念で一番近い、、、そう『神』が定義としては近いかもしれません。”
(で、その神様が俺に何の用だ?)
”貴方は異世界に興味はありませんか?”
(無いって言ったら、嘘になるが趣味の範囲内での話だ。)
”それは良かった。貴方にお願いしたい事は、私の創造した世界で生活を営んでいただきたいのです。”
(異世界ってやつか?)
”話が早くて助かります。剣と魔法が存在し、モンスターと呼ばれる生物が存在するそんな世界です。”
(そこで俺は何をするんだ?)
”ただ生きて欲しいだけです。特に使命などはありません。貴方が生活を送る上で起こる出来事の変化を観察したいのです。”
彼は、『異世界』というキーワードに興奮を隠せなかった。
”貴方の選択が世界に影響を与える事を望みます。”
(それが使命とかじゃないのか?)
”さて、ここまで説明しましたが、貴方は私の世界へ転生する事を望みますか?”
(ごまかしやがったな。あぁ、行くよ。)
”それでは、貴方には私からの恩恵を授けます。この力はその世界では突出した力となります。貴方の選択次第では、望む結果にならない事もあるかもしれません。慎重に選択を願います。”
(そんなバカげた力はいら、、、)
”では、貴方に幸あらんことを”
その空間は眩いばかりの光に包まれた。
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