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【連載】異世界における特異点  作者: とぐさ
第一章 今より少しマシな未来へ
10/11

10 一件落着ってわけにはいかないか

 俺は、王の間を出ようとした時、


「悠弥よ。」


 バルフェルトに止められる。


「息子のことは、これで済んだとして、王城を破壊したことは、済んでおらんぞ。」


 えっ、、、


「聞くところによると、我が国の臣民ではないと言うではないか?そうなると、目をつぶってやる事もできん。」


 バルフェルトは、悪戯っぽく、ニヤつく。狸爺め。


「なんだ、金があればいいのか?」


「そうだな、この被害状況だと、ジャスタ!」


「はっ。」


 なんか委員長みたいなやつが出てきた。


「そうですね。今回の、、、ここが、、、特にひどいのが、、、」


 何かを計算している。


「これくらいになろうかと、、、」


 それを見たバルフェルトは、膝から崩れ落ち、


「おぉ、こんなに被害が、、、これでは国が傾きかねん。臣民に、どう説明すればよいのやら、、、」


 などと、三文芝居を繰り広げる。「陛下、お労しや」などと、ジャスタも涙を拭く芝居をしている。


「ふぅ、、、ジジイ、今回は騙されてやる。何が欲しいんだ?すぐに取ってくる。」


「そうだな~」


 バルフェルトは、チラチラと、オリビアを見ている。彼女は、ハッとして、俺の前に来た。


「お父様、この被害のすべてを悠弥さまが、負うことは、非常に重いと思われます。」


 ”さま”って言ったな。いい予感がしない。


「そこで、私が悠弥さまの元に嫁ぎ、王族と繋がることで、相殺といたしましょう。」


 はっ?


「おぉ、それは良い案だ。ワシも娘の婿とあらば、容赦せざるをえん。オリビア、苦労を掛けるのぉ。」


「お父様~。」


 いい加減にしろ。


「ちゃんと金は払う。だから、オリビアにそんな事をさせなくていい。」


 俺の言葉に、バルフェルトは、急に真顔になる。


「悠弥よ。別に無理強いをするつもりはない。だが、私とて、木の股から生まれたわけではない。オリビアはおぬしを慕っておる。父親として、娘の幸せを願っておる。」


「本音は?」


「甘やかしたおかげで、お転婆になっていまい、嫁の貰い手に困っておる。」


 スパーンっと、気持ちのいい音がする。オリビアが、ハリセンでバルフェルトを叩いていた。どっから出てきた。


「お父様!」


 怒っているけど、そういうとこだぞ。国王を叩くやつがあるか。


「悠弥。」


 オリビアが、しおらしい態度で、言う。


「私は、あたなをお慕いしています。どうか、そう邪険にせず、、、それとも私は、あなたの妻としては、不服でありましょうか?」


 その表情は、卑怯だな。


「分かったよ。」


 オリビアは、抱き着いてきた。


「ジジイ、満足か?」


「満足した。これでおぬしは、無罪放免。娘の幸せも叶え、完璧な父親じゃ。」


「言っとけ。」


 全面戦争まで覚悟していたが、今回は、これで良しとするか。


「悠弥。これで私とあなたは、夫婦です。よろしくお願いしますね。」


 これからが思いやられる。

読んでいただきありがとうございます。


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