第十三殺
コロナワクチンのせいでめっちゃだるくて書く気が全くでない……。書き溜めしてた過去の俺はえらい!
俺の言葉を聞いたトゥルムは非常に驚いた。というような表情になっている。
「え?なんでシャロが私の夢のこと知ってるの!?」
……夢?いや、まさか本当に……?
「そ、それはどんな夢なんだ?」
珍しく動揺する俺を見て、軽くトゥルムが笑いながら答えた。
「えっとねぇ、なんだかシャロみたいに戦う人に魔王って呼ばれて、一緒に死んじゃう夢。最近よくこの夢を見るんだ。最初は覚えてなかったのに最近は見すぎていやでも覚えちゃったよ!」
最後は少し、怒ったようにトゥルムは言った。これは流石に……否定するのが難しい気がする。完全な記憶はない。だが断片的に魔王の記憶を見ている。もしかしたら、真桜も何か俺のように何かきっかけがあれば、記憶が鮮明になるかもしれない。それは、だめだ。絶対に。何があったとしても。俺の場合は、両親の死。この瞬間に暗殺者の頃の記憶が鮮明なものになった。俺は両親が死んだことでもともとあった影道の精神が壊かけた。そして、追い打ちを入れるように俺の記憶という人を殺して歩んできた人生の記憶が鮮明になった。そこで、完全に影道という少年とも言い難い幼子の精神が破壊された。俺という存在によって。だからこそ、絶対に真桜に魔王の記憶を鮮明に自覚させるわけにはいかない。特に魔王の様な修羅の記憶のすべてを思い出してしまったら、きっと真桜は壊れてしまう。それだけは絶対に防がねばならない。きっとそれが俺の……。
「そうか……。いや、俺もそんな夢を見たんだよ。その魔法を使う魔王って呼ばれてた人と戦う夢を。その中でさっきトゥルムが使った魔法が出てきてそれで驚いたんだよ」
とっさに嘘をついて、誤魔化した。
「ええ!?シャロも見たの?!あんな夢。それじゃあ私と戦ってたのはシャロなのかなぁ?でも私は魔王じゃないし、シャロもあんなのじゃないからなあ」
トゥルムはとても驚いている様子でそんなことを言った。その予想は当たっている。だが、トゥルムの言う通りだ。俺はもうあんな血にまみれた男ではないし、真桜も魔王ではない。
「そうかもな。それよりも、報酬を確認しよう」
俺はそう言って話題をそらした。
「あっ!それもそうだね!レベルも上がったし!」
はっ、とした表情になったトゥルムの顔を見て、思わず口元が緩んでしまった。
『レアクエスト【空と獣の王】をクリアしました』
『プレイヤーネームシャロードのレベルが上がりました』
『短剣熟練度が6に上がりました』
『弓熟練度が5に上がりました』
『【スキル】《チャージショット》を獲得しました』
『【称号】《立体軌道》を獲得しました』
『【スキル】《空中床作成》を獲得しました』
『[グリフォンの爪]を獲得しました』
『[グリフォンの風翼]を獲得しました』
『[グリフォンの風魔核]を入手しました』
『特殊進化の条件を満たしました。《鷹の目》を《空獣王の瞳》に特殊進化可能です』
『スキルポイントを10消費して進化しますか?Y/N』
まずレベルが24になった。短剣熟練度が上がったけど何もない。そして、弓の熟練度が上がったことで武技を獲得した。次が称号だ。まあ名前から大体わかる。
立体軌道:上に高く跳んだ状態でモンスターを攻撃する
かなり簡単な条件だ。そして、称号についてくるスキルも名前の通りだ。
空中床作成:視線の先に踏むことができる小さな床を作成する。(RT:20秒)
かなり使いやすそうなスキルだ。20秒に1回、何もない空中に床を作ることができる。レベルが上がれば、床の持続時間が延びるみたいだ。グリフォンの素材はかなり手に入った。ただ、風魔核だけは1つしかなかったのでレアドロな気がする。
「どうだった?」
ウィンドウを見終えたトゥルムに声をかけた。
「えっとねえ、普通の素材は多分一緒だから省くけど、レアドロの風魔核が2個落ちた。それと、もう1つレアドロの[のスキルカード]があったよ。効果は単純にこのスキルを使ってから次に使った魔法を2回分消費して、同時に同じ魔法を使えるようになるスキルだね。スキルポイント10使ったけどこのスキルならもったいなくはないかな?多分グリフォンが8個同時に魔法を使った攻撃の下位スキルだと思う。進化していけばあのくらいできるようになるかも。ちなみにRTが1分だよ。結構ありがたいな」
かなり強いと思う。まず単純にDPSが上がる。単純に考えて、威力2倍だからな。さらには相手が回避しにくくなる。
「大当たりだな。俺はスキルカードは出なかったが、代わりにクエストクリアで《鷹の目》が《空獣王の瞳》に特殊進化した」
空獣王の瞳:《鷹の目》が特殊進化したスキル。《鷹の目》以上に遠くのものを見ることができる。さらに、あらゆる技の中心が正確に視認できるようになる
習得条件:《鷹の目》を持った状態でレアクエスト【空と獣の王】をクリアする
能力は《鷹の目》の上位互換といった感じだ。まずは倍率固定だった《鷹の目》とは違い、自分で倍率の調整ができるようになった。そしてアクティブスキルだった《鷹の目》が《空獣王の瞳》になって、レベルが消えてパッシブスキルになった。そして、この技の中心が見えるようになるというのは、かなりやばいスキルだ。最初にログインしたときに、魔法は攻撃で相殺できるか試したことがある。その時に発見したのが、正確に技の起点となっている部分にスキルや武技で攻撃すれば相殺できることが分かった。その起点である技の中心を見ることができるようになるスキルだ。これでさらに俺がダメージを負うリスクを減らすことができた。
「かなりやばいスキルになっちゃったね」
トゥルムもかなり驚いた様子だ。そしてハッとした表情になって「ますますシャロには勝てなくなっちゃった!?」と嘆いていた。
「それは気にすることないだろ?俺たちは一緒に戦うのであって、俺たちが戦うことなんてないだろ」
「それもそっか。それでどう?《空獣王の瞳》の使い心地は」
使い心地について聞かれたが、なかなかに使いやすい。
「かなり使いやすい。俺が見たいと思えばその分だけ、倍率が上がる。それに、特に表記されて無かったが、若干動体視力を上げてくれてる。いろんなものが少しだけゆっくり見えて、はっきり目で捉えられてる」
そういったが、これはなんだか目に作用するスキル全部についている気がする。
「へえ。目に作用するスキルはみんなそうなのかな?」
トゥルムも俺と同じ考えのようだ。
「俺もそんな気がする。思いのほか目に作用するスキルはとっておいて損はないかもな」
そう言った俺に頷いて、言葉を返すトゥルム。
「そうだね。私も《鷹の目》取っておくよ。そろそろ、スキルポイントが余り過ぎてるしね」
言われてみればそうだな。俺もスキルポイントは進化させる以外には全く使っていない。そろそろ何か見てみようか。
「まあ、スキルは帰ってからゆっくり見るとして……。まだ探索は続けるだろ?それにまだ何かある気がする」
そう言って、俺たちはまた左の壁に戻って、登山を再開した。
読んでくれてありがとう




