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エピローグ

登場人物

・近藤 由美

罪の浄化により改変された世界で川口 美咲と共にいじめに立ち向かった。

贖罪のため美咲を隣で支えるが次第に……。


・川口 美咲

改変後の世界では由美と共にいじめに立ち向かった。

由美のことを親友と思っている。


・川口 創一

来たるべき日に備え筋トレを始めた。

ヒョロヒョロだったのは過去の話、今ではガチムチ体型に。

意外にも格闘技の才能に恵まれているらしい。

あれから一年弱……。


私達は無事、高校に進学していた。


「おはよー、美咲!」


「あ、由美ちゃん。 おはよう、一緒に行こー」


川口 美咲……私が地獄に堕ちる前に虐めていた子……。 私はそんな彼女とは今ではすっかり親友という関係になっていた。


———


川口さんと本格的に関わり合いを持ち始めたのはちょうど一年前、中学三年生に進級したばかりの頃だった。


あの日、私は隣のクラスの女子から激しく責め立てられていた川口さんを見つけた私は、間に割って入って彼女の味方をした。


その場はひとまず事が収まったのだけど……。


その後、それが原因で私は川口さんと共に隣のクラスの女子やその仲間達からいじめを受けることになった。


いじめは卑劣極まりないものだった。


ある時は給食に虫を入れられ、ある時はトイレの上から水を被せられる。 またある時はいじめグループに取り囲まれリンチされ、更に半裸の姿をスマホで撮影、ネットに投稿された。


私も川口さんも毅然とした態度でその場を耐えた。


しかしそれがいじめグループにしてみれば気に食わなかったのだろう。


夏休みが終わる頃にはいじめはワンランクエスカレートしていた。


中でも一番辛かったのは、私と川口さん、二人して不良の溜まり場である廃墟に連れ去られた時だ。


あそこは改変前の川口さんが自殺する原因になった場所……。


これから不良共が行う行為は地獄での追体験でわたしも知っている。


あの時とは違い私達は一人じゃない。


出来る限り抵抗して時間稼ぎをしたが、相手は暴力に飢えた不良共が5人……。 二人はお馴染みの上田&三木だが、残りの3人は大人よりがっしりした体格の高校生。


さすがに今回だけは大怪我覚悟で耐え忍ぶしかない。


そう諦めていたその時!


『待てっ! コラァァァ!』


改変前同様に川口兄が現れた。


しかし何処か以前と雰囲気が違う。 いや、外見から違っていた。


そう、川口兄は筋肉をビルドアップさせ、ゴリゴリのマッチョになっていた。


どうやら彼も改変前の記憶からこの展開を予想していたらしく、不良を倒せるよう身体を鍛え、更に格闘技も身につけていた。


不良はそんなことに目をくれず川口兄に襲いかかる。


だがこの日のために準備をしていた彼は強かった。


1対5という圧倒的不利な状況を物ともせず、ものの数分で不良達を沈めた。


全てが終わった時、川口兄は私の方をじっと見て言った……。


『俺が来るまで美咲を守ってくれたんだな……。 その、なんだ……今回に関してはありがとう。 美咲を殺したお前が美咲を守ることで、俺の中ではノーカンだ。 つまり今この時をもって俺はお前を許すよ』


驚く事に和解は不可能と思われた川口兄と完全な和解をする事が出来た。


この日から私と川口さんは家族ぐるみの仲へとなる事が出来た。


こうして私と川口さんは最大の危機を逃れた上に、なんとこの出来事がきっかけでいじめは終息を迎えた。


どうやら川口兄の喧嘩の強さを恐れた上田と三木が私達から手を引くよういじめグループに話したらしい。


ちなみに川口さんに彼氏面して近づいてきた赤松だけど、いつの間にか嗜虐的な性癖が学校中に知れ渡って、それが原因でいじめられていた。


そして平穏な日々を取り戻した私と川口さんは受験勉強に専念し、高校受験を合格!


このまま何事もなく卒業!


……と行きたいところだったが実はここでも一悶着あった。


最後の最後で私達の前に立ち塞がるは、いじめの主犯格の女だ。


彼女はいじめグループの仲間が私達から手を引いたおかげで、逆に孤立することになり、その環境の変化きらストレスが溜まって勉強に集中できず、受験に失敗したと言う。


この女、もしかしたらあったかもしれない私の姿と思うと何処か切ないと少しだけ思った。


けど、そんなの関係ない。 彼女の言い分は言い分ですらない言いがかりでしかない。


ここは私がガツンと最後に……。


『知りません!』


ガツンと言う私の前に出た川口さんはそう言い放ち、私の手を引いてその場を去った。


後ろをチラッと見てみた。


いじめの主犯格の女は悔しそうに地に膝をつけ泣いていた。


ざまあみろ……。


気分がスッキリした。


それと……私は川口さんと共にいじめを乗り越える事で初めて自分の罪を清算できたと思う。


———


「由美ちゃん、考え事してるようだけど大丈夫?」


「えっ、それ程じゃないよ?」


「そう? 5分くらいずっと険しい顔だったよ?」


「そ、そっか……心配かけたね。 今日は私と美咲が出会ってちょうど一年じゃん? この一年いろいろあったなぁーって振り返っていたんだ」


「なるほどー。 去年一年はホント大変だったね。 でも何とか乗り越えられたのは由美ちゃんが私の隣に居てくれたからだよ? ホントすごく、すごーく感謝してるんだから」


「えっ……そんな……それ程の事じゃないよ……」


川口さん……美咲本人から……感謝された。


私はただ自分の贖罪からしたことなのに、やって当然のことなのにー


ギュッ!


「み、美咲?」


美咲は私を優しく抱き寄せた。


「今までありがとう、私は由美ちゃんを最高の友達だと思ってる。 前から時々思い詰めた感じがしてるけど、私でよければ相談に乗るよ? 由美ちゃんは一人じゃないんだからね」


美咲……。


「……うん、もちろん……私も……」


ありがとう……。


「これからも宜しくね」


美咲は手を差し伸べる。


嬉しくて涙が出そう。


でもここは笑顔で!


「こちらこそ!」


私は美咲の差し伸べている手を取り教室に向かった。


過去の罪が浄化された今、私は未来に向かって進んで行かなきゃね。


大丈夫、自分の罪を胸に刻めば失敗はしない。 罰の記憶を思えばなんだって耐えられる。


私達は一人じゃないんだから。

今回で完結となります。

稚拙な文書になりましたが、最後まで読んで下さって有り難うございます。


リョナ満載のバッドエンドを想定してましたが、後味の悪さから今のエンドにしました。

ちなみに前回、由美が川口 美咲を隣のクラスの女子から助けなかった場合、地獄が罪を浄化不十分と認識し再起動します。

もちろん由美は一瞬にして地獄に送り戻される事になりバッドエンドです。


設定を考えるのは思った以上に楽しかったので、またいつの日か何らかの作品を書きたいと思っています。



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