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最期のいじめです

登場人物紹介

・近藤 由美

すっかりいじめられっ子生活に馴染んだ元いじめっ子。

過去の自分の行いを悔いている。


・由美の母

由美の最大の味方。

一緒にいじめに立ち向かってくれると言った。


・川口 美咲

いじめの主犯格。

見た目はかつてのいじめられっ子だが、中身はかつてのいじめっ子である由美そのもの。


・上田&三木

クズの不良。

高校生ともつるんでいた。


・兄貴

高校生の不良グループを纏めるリーダー。

地元最強の不良で上田と三木から尊敬されている。


・担任の先生

面倒くさがり


・近藤 創一

元の世界では川口の兄だったが、立場入れ替わりによりここでは由美の兄という事になる。

いわゆる陰キャだが、しっかりお洒落すると悪くないらしい。

元の世界での名前は川口 創一。

今日、いじめが終わる。 私の三ヶ月の追体験もこれで終わる……。


ほっとする一方、このいじめの果てに何が待ち受けるのかという不安もある。


だが、動き出すしかない。


前に進むしかない!


私は気持ちを強く持ち登校した。


一限目数学、二限目体育、三限目理科(移動教室)。


……途中、保健室で休んだものの、何事もなく給食の時間を迎えた。


午後にはお母さんが学校に来て、先生にいじめの実態を話しにくる。


後、少し……もう少し耐えれば……。


その時、最期にして最悪の試練が私の前に立ち塞がる。


「先生ー」


それは川口の一言から始まった……。


「ん? 川口、どうした? 」


先生は立ち上がり川口の元に向かう。


「私の財布が無くなりました……」


「何ィ!」


川口の財布が紛失? 嫌な予感がした。


「先生ー、俺も筆箱がありませーん」


次に上田が所有物の紛失を訴える。


「俺も体操服がー」


「私も給食費がー」


連鎖的に物を紛失したという報告が上がる。


川口、上田、三木……それに取り巻きの女子達……。


こんなメンツ、絶対何かある。


たしか前の時間は理科で理科室に行っていたし、その前の体育の時は私は体調不良で保健室で寝ていた。


まさかっ!


……ガサガサ。


私は机の中や鞄の中を確認してみる。


やっぱり……最悪だ。


紛失した物は全て私の鞄の中に入っていた。


「仕方がない、先生は犯人探しなんてしたくないが、無くなったままで放置も出来ない。 というわけで左の席から順に持ち物検査するぞ? 先生が持ち物を確認するまで手は机の上に置いておいてくれよー」


今日でいじめに決着が着くと思い油断した、やられた、嵌められた、陥れられたっ!


「……久米の次は近藤か。 悪いけどちょっと確認させてもらうよ?」


先生は私の鞄の中を調べ始めた。


万事窮す、しかしこの時奇跡がー


「んん? これは川口の財布に上田の筆箱、三木の体操服もあるぞ? 机の中にもいろいろ……」


何も起こらなかった。 都合よく奇跡なんて起こらなかった。


無情にも私の机や鞄から全ての紛失物が発見された……。


その様子を川口を始めとするいじめグループ達はニヤニヤしながら眺めていた。


「皆、ちょっと自習しててくれ。 先生は近藤の話を聞くことにする。 さぁ、職員室に来るんだ」


「はい……」


職員室に行くように指示され、私は力なく教室を後にした。


———


私は自分が盗みをしていない事を訴えた。


体育の時間、一人授業に居なかった事を指摘されたが、保健室の先生が私が休んでいた事を話してくれた。


おかげで警察を呼ばれる事は無くなったが、先生はまだ疑っている様子だった……。


この件で話している最中にお母さんが学校に到着。


お母さんは一生懸命いじめの事を話してくれた。


しかし私自身が盗みの疑いをかけられている今、タイミングは最悪で効果は薄かった。


結果、盗みの件といじめの件は調査するということで話は半ば強制的に締められた。


感触?


ダメだね、先生もなんだか面倒くさそうな空気を出してたし……。


話を終えた私は再び教室に向かい、残りの授業を受け、1日を終えた。


さすがに盗みの騒ぎがあった後だ。 午後以降に川口達からのいじめもなかった。


そして下校……。 私は型を落としながら通学路を歩いていた。


それにしても今日は酷く疲れた……。 力も出ないし今日は早く帰ろう。


しかしまだ最期の試練は終わっていなかった。


「おい、待てよ」


「えっ、何!」


私を呼び止めたのは上田と三木……そして川口。


「近藤さん? 今日先生にチクったよね? 放課後職員室に呼ばれたんだけど……」


「えっ、それは……」


「お前最低だよ。 私らの持ち物盗むだけじゃ足りないってわけ? 大体いじめって何よ? 元はと言えばお前が私の彼氏を横取りしたから始まったことよね? それにお前、私の玩具になることに同意したじゃん。 なのに都合が悪くなったらいじめだーって被害者ぶるわけ? もう、許さない……。 おかげ様で私らまで先生に目を付けられちゃったよ」


川口は逆切れ。


「もういいわ。 私、金輪際お前には関わらないよ」


関わらない? という事はいじめは終わるって事……?


しかしそんなに世の中甘くはない。


「上田、三木……最後にこいつ好きなだけ滅茶苦茶にしてやって?」


「そう言うと思ったぜ、つーわけで近藤、俺らとちょっと来てもらうぜ?」


「やっ、嫌、離して……やだやだ」


ずぼッ!


「黙れよ……」


上田の喧嘩慣れした強烈な突きが私の腹に決まった。


「かはっ……ゲホッ……ゲホッ……」


腹に食らった一撃で咳き込むも、彼らは一切容赦する様子もなく私を路地裏に引き摺り込んだ……。


———


「おー兄貴ぃ! こっちこっちー!」


うぅ……苦しい、視界が霞む……。


私は手足を縛られた状態で上田達不良の溜まり場に居た。


兄貴って呼ばれてるその男は、彼らが尊敬する高校生の不良グループのリーダーだ。


私は上田に三木、そして高校生の不良達数人に囲まれた絶体絶命の状態にあった。


「へぇ、中々かわいいじゃん?」


高校生の一人が私の顔をニヤニヤしながら眺めていた。


「そんじゃ、まずはリーダーである俺から頂いちゃおうかなぁ〜」


「やだ、やめて……」


「嫌がる顔がそそるねぇ……」


リーダーはペロリと私の首をひと舐めして、スカートの中に手を入れ弄り始めた。


ダメだ、もう……。


全てを諦めたその時!


ガン!


「あぁ?」


薄暗い屋内の入り口に誰かいる。 強烈な太陽光がバックで姿はよく見えないが……。


「由美ぃぃ! 今助ける」


「なんだ、こいっ痛っ!」


この世界における私の兄、元の世界では川口の兄だった男、ややこしい立ち位置の男だが、今は間違いなく私のお兄さんである近藤 創一だ。


兄はバットを片手に不良達と闘い始めた。


次回で追体験は終了予定。

近いうちに更新致します……。

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