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何故だか帰還することが出来ました

登場人物紹介

・近藤 由美

主人公。

目を覚ますとそこは……。


・由美の母

よく言えば穏やかで優しい。

悪く言えば甘い……そんな親。


・赤松君

由美の元カレだったが……。

ジジジジジジー。


もう朝か。 あぁ、目覚ましうるさいなぁ……。


「ふわぁぁぁ………」


カチッ!


はぁぁ、あと五分……寝よ……。


「…………由美」


ううん、お母さんもうちょっと寝させてよぉ……。


「由美起きなさい」


しつこいなぁ、あと五分したら起きるから……。


「由美っ!」


バサッ!


私の布団は勢いよく剥ぎ取られ、たまらず寒さで震える。


薄目を開いて見てみると、意地でも起きない私をお母さんは呆れた顔で見ている。


あれ……? お母さん?


あれ? 私はベッドで寝ている?


「えっ、えー!?」


私は飛び起きて辺りを見渡してみる。


寝ている私を優しく包む毛布にベッド、起こしに来るお母さんにいつも使っていた勉強机。


窓からは爽やかな朝の日差しが差し込み、寝起きの私にはとても眩しかった。


これがごく普通の日常の始まりで、目の前に広がるものも特に珍しくも無い当たり前の風景。


だが私には非常に懐かしく感じる。


そう、だって私は昨日まで地獄で罰を受けていたんだ。


その私が自分の部屋で目覚めたってことは私は地獄から脱出出来たってこと?


私の罪は許された? もう身体をバラバラにされたり、お尻に火をつけられることもない?


ないよね、だってここは私の部屋なんだもん……。


「うっ……、うっ……」


心の底から安心したら、次は涙が溢れでる。


「うわぁぁぁぁぁん」


今までの辛かった記憶が一気に脳内になだれ込み、小さな子供のように泣きじゃくる。


「どうしたの由美? 大丈夫? 調子悪いなら学校休む?」


お母さんは優しく泣いている私を安心させようと優しく抱き寄せた。


「わぁぁぁぁぁん、おがあざん、おがあざぁぁん!」


溢れる思いを止められず、私は滝のような涙を流した……。


———


それから一時間後……。 いつもより少し遅れて登校。


休むよう言われたけど、お母さんにあまり心配かけるのも良くないと思った。


だから「怖い夢を見た」って適当に誤魔化して投稿することにした。


怖い夢かぁ……、地獄での出来事……実は本当にただの怖い夢なのかも……。


そもそもあんな非科学的な現象、あるわけないもん。


地獄なんてない、あれはちょーっと長い悪夢……ただそれだけの事。


もうあんな酷い夢のことは忘れて、日常を満喫するのだー♪


それに私、中3だし受験勉強で忙しいしね……


ふふっ、ホントの地獄を体験した今なら受験勉強如き、簡単に乗り越えられるね。


……って地獄の事はそこまでそこまでー!


と、もう学校の近くまで来たわね。


今は9時半か……、二時間目からは授業受けられるかな?


ーとよそ見して歩いていると、道の曲がり角から何かが飛び出してきて……


ドン!?


「キャッ!?」


その何かと私は勢いよく激突。 私は尻餅をつく。


「いたた……、腰を思い切り打った……もう、何?」


私は腰をさすりながら身体を起こす。


するとそこに居たのは……。


「あれ、君は……えっと……近藤さんだっけ?」


私の元カレの赤松君だった……。


「いやー、ごめんな。 俺さ、寝坊して急いで学校に向かってた所なんだよねー、ハハハハハ……」


赤松君はおっちょこちょいなんだから……。 それにしてもニカッと笑う赤松君……カッコいいわね。


そんな赤松君の彼女だったのよね……。 はぁ、もう一度彼の彼女に戻れたら……。


あれ?


さっき赤松君、私を見てなんて言った?


今、私の前にいる赤松君からは変な違和感を感じる……。


「今ならまだ二時間目には間に合いそうだぜ、ここでぶつかったのも何かの縁だ、一緒に投稿しようぜ?」


「……うん、いこう」


赤松君は顔を若干赤らめながら言った。 私もそう……今凄くドキドキしている。


懐かしいなぁ……初めてのデートを思い出すよ。


この時私は彼との二人だけの時間に夢中で違和感の事はすっかり忘れていた。


———


はぁ……幸せな時間は早く過ぎ去るものなのね。


あっという間に校舎前まで来ちゃったわ。


名残惜しいけど……。


「赤松君、それじゃ……」


「待てっ、待って近藤さん!」


「えっ!? えっ、赤松君? ど、どうしたの?」


「こ、近藤さん……唐突なんだけど俺、俺さ……さっきから君と歩いてて思ったんだ。 君のこととてもいいと思ったんだ。理由? 理由はピンと来たから……そう、直球ってやつだよ! だからその……、俺と付き合ってくださいっ!」


何よ、直球って……。 随分と適当な動機だこと……。


てか別れた相手と付き合ってくださいって何……?


復縁ってこと? 別の女に乗り越えた癖に……。


ほんっと、赤松君……のそういう所も……好き……。


あれ? なんかおかしくない?


さっきから赤松君、私のことまるで初対面かのような口ぶり……。


私の事、忘れたなんて事はないよね?


いくら別れたとは言っても元カノだもの……。


ーなどと考え事をしていた、その時!


ガシィッ!


「いだっ……な、何? 赤松君……」


赤松君は私の腕を力強く握り、鬼のような形相で私を睨む……。


「近藤さん……近藤さん近藤さん近藤さん近藤さん近藤さんコンドウサン……コココンドウ……サ、ン?」


赤松君が壊れた……?


いやいやいや……壊れたとかロボットじゃないんだから……。


でも元に目の前にいるのは赤松君で……。


いや、本当にそう?


元カノの私の顔を忘れてる時点でおかしい。


「コンドウサン、オレトー」


狂った赤松君は私に私に詰め寄り付き合うように迫る。


腕を握る力も次第に強くなっていく……。


怖い……このままじゃ……。


ズバッ!


「ギャッ!?」


赤松君のような何かは、もう片方の手で私の胸を貫いた……。


その時、私の意識はスイッチが切れたかのように失われたのだった……。

話の進行度でいえば締めに入っている感じです。

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