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地獄のリアルアクションゲーム

登場人物紹介

・近藤 由美

身体にハリガネムシを仕込まれたため、現在自由が利かない状態。

完全にシークスとセブンスの玩具。


・シークス

由美を玩具にして遊ぶ少女。

その本質は鬼や悪魔と変わらない。


・セブンス

シークスの保護者。

ゆったりした口調で話す老人だがその本性は鬼畜。


・針金大蟲

通称ハリガネムシ。

由美の尻から入り込み寄生した。

シークスはこのハリガネムシと連動した装置から電気信号を受信することで、由美を好きに操ることができり。


・モンスター

熊のような巨体に鋭く長い鉤爪。 さらにハリネズミのような体毛を持つ怪物。


・糸のモンスター

鋼鉄の糸を吐く巨大な蜘蛛。

鋭い刃物のような糸は、鋼鉄のような強度とは裏腹に非常に細く、目視が困難。

糸で知らず知らずにバラバラになった獲物を餌とする。

「お姉ちゃん! 止まるんだよーっ!」


シークスが私に向けて命令する。


「くっ、う……身体が……自由が利かない……」


すると私の身体はピタリと棒のように硬直する。


前々回にお尻から突っ込まれたハリガネムシ、その蟲の意思は私の意思より優先して私の身体を動かす。


さらにそのハリガネムシすら制御、支配してしまうシークス。


もう逃げられない……。


私は死んで身体がリセットされるまで、この無邪気で残酷な地獄の獄卒になされるまま……。


もうやだぁ……。


「シークスや、用意できてるぞ?」


「あっ、ありがとー! さぁいくよ、お姉ちゃん!」


いっ! 身体が無理やり動く……。 これが地味に痛い。


それはそうとシークスのためにセブンスが用意したと言うあれは……私の目の前に見えるあれは一体……。


「アクションゲームのステージなんだよ? これからお姉ちゃんでこれをクリアするんだー」


はぁ、あれを身一つでクリアしろって?


溶岩に浮かぶ小さな小島。 その島はところどころ火を吹いたり、穴が空いてたり、如何にも危険な怪物が身を潜め目を光らせている。 しかもカッターや包丁を始めとした刃物が至る所を不規則に浮遊している。


そんな無茶な……。


「さぁ、ゲーム開始なんだよ! お姉ちゃん前進だー!」


わわっ、脚が勝手に動く。 しかも行き先は小島の下に広がる溶岩!?


「ちょっ、ちょっ、ちょー! このままじゃ溶岩にドボンしちゃうぅーっ」


私の身体は意思に反して迷いなく溶岩に向かっていく。


「あぁぁぁぁぁ、止めてー! ヤバイ、ヤバイからぁー!」


脚を止めるよう脳から命令を送るが全く意味もない。


「ひゃぁぁぁ、だめぇぇー!!!」


ついに溶岩の手前に立ち……。


ピョーン!


大きくジャンプをして飛び込んだー。


ジュッボッ!


「ギャァァァ!? あぢぢぢぃぃぃー!」


溶岩に触れたその瞬間、尻に火がつき私の身体は大きく浮き上がった。


前にもこんなことあったわ。 どうやら私の身体が熱いものでダメージを受けた時、その痛みは全て尻に収束するみたい。


なぜ尻か? 例によって漫画的表現の適用だと思う。


おっと、熱さで悶絶しているうちに陸地に着地できそう。


「よっと!」


ふぅ、着地は綺麗に決まったわね。


ここからは上手く私の身体を操作なさいよ、シークス!


「グルルルルゥ!」


っ!?


さっそくモンスターのお出ましー! 熊のようながっしりした身体に、鉤爪のような長く鋭い爪、背中に広がる体毛はハリネズミのように逆立っている。 これ、絶対ヤバイモンスターだわ……。 すぐに逃げなきゃ……あっ、逃げたいのに身体が動かない。


「シークス、逃げるの! 逃げさせて! このままじゃヤバイからぁ」


唯一、自由に動かせる首を必死に揺らしながら逃げてと伝える……が。


「任せるんだよ! 私のテクニックにかかればお姉ちゃんの貧弱な身体でもモンスターは倒せるんだよー!」


ちがーう! 戦わないでー!!


タッ、タッ、タッ。


いやぁぁぁぁ、脚が勝手にぃぃぃ!


「グルルルルゥ!!」


わわっ、相手も戦闘態勢じゃん。 ヤバイヤバイ死ぬ死ぬ死ぬぅー!


「いっけー、獄・大焦熱魔拳!」


モンスターに対してシークスが指示したのは、よくわからない技。


そんな技使えないし……。


ボッ!


「ギャァッ! 熱い、なんか尻の方が……」


嫌な予感は的中。 私の尻は勢いよく燃え盛る。


「あぢゃぁぁぁ!」


熱さのせいか、操作されているせいか……。


私の身体は弾丸のように突き進む。 目の前のモンスターに突っ込む勢いで……。


いや、これは完全に突っ込む、突っ込んで吹っ飛ばす寸法でしょ?


いや、この勢いならあるいは……。


「グルルルルゥッ! ガウッ!」


モンスターも応戦。


体長2メートルを超える巨体と鋭い爪を光らせ突進を仕掛ける。


さぁ、私はこの後勝てるか?


答えは……。


バキッ!


「あぎゃっ!?」


無理でした……。


全身全霊をかけた突進とはいえ、ただの女子中学生と熊のように大きなモンスター。 その力の差は圧倒的だ。 私は当然のように遠くに吹き飛ばされる。


だが一つラッキーなこともあった。


衝突の勢いで私の身体が大きく吹き飛んだおかげでモンスター逃げられたということ。


痛いだろって?


もちろん痛いよ。 骨は折れただろうし……。 でも幾多の死を乗り越えた私にとって、ただの突進なんて転んだ程度よ。


「ドヤっ! ふふっ、なんちゃってー」


なんて空中で調子に乗ってみたわけだが、早くも次のピンチが……。


「お姉ちゃん、あぶなぁぁぁい!」


ん、何?


ふと後ろを向いてみる。


するとそこには新手のモンスター!?


しかもそれだけじゃない。


モンスターの周りには、鋼鉄のように硬く、刃物のように鋭い、その上、目視困難な程細い糸がジャングルジムのように張り巡らされていた。


このままじゃ、モンスターの餌食になるどころか糸で身体がバラバラにぃ!?


「シークス、なんとかしなさーい!」


するとシークスは……。


「ごめん、無理」


はぁぁぁぁ! シークスあんた、それはないでしょ!?


あんたが今の私の身の安全を背負ってるのにそんな無責任なー。


「シークスの馬鹿ー! 鬼、悪魔、こんちくしょー」


あれ、身体が動く?


解放されたってのは考えにくいし……あっ、シークスのやつ私の操作を完全に諦めたってこと?


あいつ、私のことを玩具かなんかだと……。


「ああぁぁぁぁ! うわぁぁぁあー!!」


必死にもがいてみるが空中じゃどうしようもない。


一方シークスと横で見ていたセブンスの二人はというと、必死の私の姿を嘲笑っていた。


「お姉ちゃん、往生際が悪いねぇ〜」


「そうじゃなぁ〜。 潔くスッパリするのじゃ〜」


うぐぅ……こいつら腹が立つ……。


スパッ!


「っ!?」


必死の抵抗も当然無意味。 私の身体はなすすべもなく糸に切り刻まれ……。


ポロッ、ポロッ。


糸を通過した肉体は崩れていき……。


ポトッ、ポトッ。


コロコロ……。


サイコロのように綺麗な複数の立方体となって地面を転がっていた……。


今回で死んだので、ハリガネムシから解放され別の舞台に移ります。

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