侵食
「すみません。…。返して。」
「どうぞ。」
私は、スマホを彼の手から受け取って、黙って歩き出そうとしました。
「あの、バックはいいんですか?」
「えっ?」
彼は、今度は私のバックを持っていました。
「えっ、何で!!どうしてよ!!」
私は本当に怖くて叫びました。
すると、「あなたが渡したんですよ。」と彼は言いました。私は気持ち悪く思いました。なぜ?なぜ、私の持ち物が全て彼の方に?スマートフォンは、分かります。まだ、無意識に手渡した?かもしれません。でも、バックは…バックは違います。肩掛けのバックを、しかも、ペットボトルの水が入った重いバックを、彼に渡すはずが…ない。絶対に…。
「返してよ!!」
私はスマホと同じようにバックも取り返しました。
「どうぞ。」
私は、「これ以上、変なことをすると、警察に電話するわ。」と息まいて、他に何か、彼が持っているものがないか探しました。しかし、探すと言っても、彼は手ぶらです。どこにも隠しようがありません。私はバックを受け取って、中を見ました。何もなくなったものはありません。私は、また駆け出そうとしました。すると、
「これは?」
と彼は言います。反射的に振り返ると、彼は、私のポーチを持っていました。そのポーチには、生理用のナプキンを何個も入れていました。




