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第37話 全宇宙大掃除完遂(クリームアウト)


 ーーザーーーーーーーーッ!!!


 宇宙の最果て、混沌の汚泥世界に、俺の放った黄金の光波が限界突破の速度で駆け抜けていく。


 それは、固有スキル【特殊清掃】が『全次元・超越神話スキル』へと完全覚醒したことで放たれた、世界の因果律すらもピカピカに塗り替える『創世クリーンアウト』の輝きだ。


 数光年にも及ぶ巨体を誇る、百億年分の宇宙の汚れの化身『カオス・ポルーション』は、俺の持つ黄金のモップから放たれる圧倒的な純白のナノ泡に包まれ、無残な絶叫を上げていた。


『ア、ガ……ガアアアアアアッッ!? 溶ける、我の……我の百億年分の怨念が、ただの石鹸の泡・ ・ ・ ・ ・に分解されていく……っ!? 何なんだ貴様は! 宇宙の英雄でも神でもない、ただの人間のはずだろおぉぉぉ!!!』


「ああ、そうだよ。俺は攻撃魔法も使えなきゃ、剣の一振りもできない戦闘力ゼロの役立たずだ。元いたギルドからも『戦えないゴミ』って追放されたしな」


 俺は黄金に輝くモップ『神聖迷宮再生のディバイン・ロッド』を両手でさらに強く引き絞り、不敵な笑みを浮かべた。


「だけどな、お前たち戦闘バカが派手に暴れ回って、その後の片付けをサボり続けた結果が、この全宇宙のバグまみれの汚部屋だ。自分の使った場所を綺麗にできない奴らは、神だろうが英雄だろうが、プロの清掃員として一番許せないんだよ。……だから、根こそぎ綺麗サッパリ消えてくれ」


 俺がモップの柄をグッと突き出すと、毛先から放たれる黄金の光波がさらに十倍へと膨れ上がった。

 ピカァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!


 目も眩むような純白の閃光が、混沌の汚泥世界を、数億の赤黒い瞳を、そして宇宙最初のバグロードの巨体を、跡形もなく完全に飲み込んだ。

 触れるものすべてを腐食させていた黒いヘドロや紫色の呪詛ガスが、俺の放ったクリーン波動に触れた瞬間、シュワシュワシュワ……と軽快な音を立てて、分子レベルで「完全消滅」していく。


『ア、ガ……キレイ……スギル……宇宙よ、これからは……掃除を、サボる、な……よ……ッ』


 最後の遺言と共に、百億年間全宇宙を蝕み続けていた最凶の災厄は、戦闘すら行われないまま、ただの『完璧なお掃除と除菌』によって、美しく光の粒子となって昇華消滅した。


 すべての汚れが消え去った後。

 そこは、どこまでも澄み渡るクリスタルのように美しい輝きに満ち、新築の超高級ホテルのスイートルーム以上にピカピカな、神聖極まる空間へと生まれ変わっていた。空気はひんやりと清涼で、爽やかなレモンの香りが空間の隅々まで心地よく漂っている。


『ピコーン! ピコーン! ピコーン!』

 俺の脳内に、全宇宙のシステムから、鼓膜を突き破らんばかりのファンファーレが鳴り響いた。


【全宇宙・全次元の『完全環境再生』を達成しました】

【世界初:百億年分の宇宙のバグを『お掃除』により完全消去しました】

【宇宙の劇的改善により、宇宙最高遺物『コスモ・クラウン』が出現します】


 クリスタルの床が眩しく発光し、中央に、すべての星々の輝きを宿した伝説の神冠が、ボコォンと出現した。

 静まり返る異界の核心で、俺がそれを平然とリュックに放り込む横、ブリッジにいた神城かみしろさん、ゴウ、リンの三人は、もはや魂が口から飛び出たような顔で、その場に棒立ちになっていた。


読んでいただきありがとうございます!

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