↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
35/40

第35話 百億年分の汚部屋、宇宙の最果て


 超巨大ブラックホール『タイタン・ヴォイド』を巨大な業務用掃除機としてハックし、一瞬にして五千億円の資源へと変えてみせた俺の活躍は、もはや人類の観測の限界すらも超えていた。


 太陽系全域の『大掃除』を完璧に完了した我が社ーー『株式会社・入江グローバル環境再生(IGE)』には、今や地球の国連だけでなく、遥か彼方の異星人ギルドからも、連日のように兆円単位の清掃オファーが殺到している。


 だが、俺たちの本当の『仕事』は、ここからが本番だった。


「ーー入江社長。太陽系の全環境が完全に再生されたことで、宇宙のシステムから『隠された最奥の座標』が提示されました」


 超時空環境再生船『クリーン・エデン号』のブリッジ。

 副社長の神城かみしろさんが、震える指先でメインモニターを操作した。

画面に映し出されたのは、光すら届かない宇宙の最果てーー時空の歪みの奥底にポッカリと開いた、禍々しい漆黒の異次元ゲートだった。


「この先が、宇宙の根源神との契約書に記されていた最終現場……百億年前に宇宙が誕生して以来、一度も掃除されたことがない『全宇宙の諸悪の根源(原初の汚部屋)』です。これまで宇宙中の生命体が排出し、放置してきたすべての『バグの残骸』が、ここに濃縮されていると……」


 神城さんの言葉通り、ゲートの隙間から漏れ出してくるプレッシャーは、これまでのS級ダンジョンやブラックホールとは桁が違っていた。

 浴びるだけで、並の精神の持ち主なら脳の細胞が一瞬で消滅するほどの、圧倒的な『原初の怨念』。

 後ろに控えるSランク護衛のゴウとリンの二人は、その気配を察知しただけで、全身の防護スーツの上からでもカタカタと歯を鳴らして震えていた。


「おいおいおい……、冗談だろ……。俺のSランク魔導大剣が、ゲートに近づく前から自動的にヒビ割れて砕け散ろうとしてやがるぞ。旦那、この奥は『戦う』なんて概念すら通用しねえ、本物の地獄だ……」


「私の最強の隠密スキルでも、あの闇の中に飛び込んだら、一瞬で存在ごと消し去られて、最初からいなかったことにされる……。入江さん、本当にここに入るの?」


 二人の怪物探索者すらも、本能的な死の恐怖の前に立ちすくんでいる。

 だが、俺は肩に担いだ神のモップ『神聖迷宮再生のディバイン・ロッド』をしっかりと握り直し、不敵に微笑んだ。


「ゴウさん、リンさん。怖がる必要はありませんよ。どれだけ禍々しい名前がついていようが、百億年分溜まっただけの『ただの頑固なゴミ屋敷』です。長年放置されたエアコンの裏側みたいなもんですから、プロの技術できれいに根こそぎ『全自動洗浄』してやりましょう」


 俺の言葉に、神城さんが感動したようにその美しい瞳を潤ませ、深く頷いた。

「入江社長、クリーン・エデン号、人類の、そして全宇宙の未来を乗せて、最終現場へ突入します!」


 世界最高の清掃員が、百億年分の宇宙の汚れを消し去るための、最後の『神話級お仕事無双』。

 その幕が、いま上がろうとしている。


「さあ、次はどんなお掃除になるのかな。」


読んでいただきありがとうございます!

評価とブックマークおねがいします!

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。