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第25話世界同時汚染と、国連からの超特大依頼


 アメリカでのSS級ダンジョン『ペンタゴン・ゲート』の「丸ごと洗濯」による攻略は、地球上の全人類を完全に震撼させた。

 アメリカ大統領から直接、ホワイトハウスでの国賓待遇の晩餐会に招待され、国家最高の勲章を授与された俺は、もはや単なる清掃員ではなく、地球環境の『絶対的救世主』として世界にその名を知られていた。


 だが、人類がその奇跡に歓喜していたのも束の間、地球全体を揺るがす未曾有の「大災害」が突如として発生した。


「ーー入江様、大変です。今すぐニュースを見てください!」

 ワシントンの最高級ホテルのスイートルーム。青い顔をして飛び込んできたのは、神城かみしろさんだった。彼女が操作するリモコンによって、壁一面の大型モニターに、世界各国の崩壊していく映像が次々と映し出されていく。


『緊急速報です! 世界各国のダンジョンで、一斉に原因不明の「黒い汚泥」が噴出!』

『フランス、イギリス、中国、そして日本の主要ダンジョンが完全に汚染され、そこから発生した超高濃度の毒ガスが街へ溢れ出しています! 各国のトップ探索者たちが突入を試みるも、数秒で防具を腐食され全滅! 攻略不可能となった迷宮の暴走バーストまで、残り時間はわずか二十四時間です!』


 画面の向こうでは、凱旋門やビッグベン、そして東京のど真ん中に現れた空間の裂け目から、ドロドロとした黒い液体と、不気味な紫色のガスが津波のように溢れ出し、美しい都市を黒く染め上げていた。


 これまでの十年余り、世界中のギルドが「モンスターを倒してアイテムを回収するだけ」の乱暴な攻略を続け、その場に残された凄惨な死骸や体液を『汚いから』『面倒だから』と放置し続けてきた。

その蓄積された地球規模の「負の遺産」が、ついに限界を迎えて一斉にバグとして爆発したのだ。


「人類がダンジョンを手抜きして汚し続けた結果、地球そのものが『巨大な事故物件』になっちまったわけか……」

 護衛のゴウが、冷や汗を流しながら大剣の柄を強く握りしめる。

「おいおい、これじゃあどれだけ戦闘力があっても意味がねえぞ。剣を振るう前に、全員ガスで窒息するか、床の酸で溶かされておしまいだ。地球上のすべての探索者ギルドが、完全に手詰まりだぞ」


 その時、ホテルの部屋のホログラム装置が淡く発光し、国連の最高幹部たちの立体映像が俺の前に出現した。彼らは全員が必死の形相で、俺に向かって深々と頭を下げた。

『入江湊閣下……! 頼みます、地球を、人類を救ってください! 世界各国の主要迷宮を統括する「最深の核」が同時に汚染されています! これを綺麗にできるのは、世界であなたをおいて他にいません! 報酬は世界各国が共同で拠出する【1兆円】、そして地球環境の全権をあなたに委任します!』


「1兆円、ですか」

 俺はふっと息を吐き、肩に担いだ神のモップ『神聖迷宮再生のディバイン・ロッド』を静かに握り直した。

「いいですよ。世界中が溜め込んできた十万人分のゴミの山だ。まとめて綺麗に『大掃除』してやりましょう」


 世界滅亡のカウントダウンまで、あと二十四時間。

 一国の枠すら超え、地球そのものを洗濯するための、俺の『究極のお仕事無双』

 腕を組んでストレッチをする。

「さぁ、行くか」


読んでいただきありがとうございます!

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