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「雪子の地底調査」(セーラー服と雪女 第23巻)  作者: サナダムシオ


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⑤ トカゲの女王

 その男が去るのを待って、雪子は彼女に声を掛けた。

「アナタが、トカゲの女王なのかしら?」


 すると、その女が振り返りながら言った。

「その名は、地底世界で名乗っているわ。このウラル山脈では、銅山の女王アゾフカよ。突然やって来て、不躾な事を尋ねるアナタは誰?」


「私?私は超時空の魔女、真田雪子よ。アナタがアラハバキなら、名前くらい知っているのでは?」


 すると、アゾフカの顔色が変わった。

 そして「コチラへおいでなさい。」と言って、雪子を先程の王座の間まで案内した。


 彼女は、王座に収まると、雪子に対して質問を続けた。

「それで…今日はワタシに何の御用なのかしら?」


「では、単刀直入に言うわね。私はこれ以上の貴女の行ないを、見逃す訳には行かないわ。」

「…私のナニがいけないと?」


「コチラの、ロシアでの女王様ごっこは、まあイイわ。男どもが、貴女のそのニセモノの、美しいニンゲンの皮に騙されて、嬉々として働くおバカさんたちって事だから。」


「そうね。ロシアの男たちは、皆、屈強なカラダで良く働くわ。だから時々、ワタシからもご褒美をあげて居るくらいよ。」


「それは与える財宝以外に、夜の伽のお相手も、含めるのよね?」

「…ご想像にお任せするわ。下等生物と交わるワタシの趣味を、とやかく言われる筋合いも無いしね。」


「ふん、どっちが下等だか!」

 雪子は吐き捨てるように言った。 

「…でも、地底人に対する貴女の振る舞いは許せないわ。」


「たがら、ナニが?」

「住人たちのカラダに、あんな恐ろしい改造を施して…女性も、小さな子どもまで、すっかり緑色じゃないの!」 


「ああ、あれは…彼等のカラダが、余りにも労働力として脆弱だったから、少しでも使いモノになるように、改良して差し上げたのよ…それでも、すぐ死んでしまうのよ。ダメよねえ?」

 アゾフカは、舌なめずりをしながらそう言った。


「あの緑色は、食事をしなくても、栄養補給が出来るように、光合成させるためなのだという話は、本当なのね?」


「そうよ。ワタシの独自開発した改造技術なの。素敵でしょ?それでも、どうしても食欲を抑えられない時には、豆を食べるように、食べ物の嗜好まで変えてあるのよ。完璧だと思わない?」

 女王は嬉々として答える。


 雪子は、そろそろ堪忍袋の緒が切れかかっていた。

「…もう…いいわ。」

「…は?」

「もう、貴女は喋らなくてもイイ…。」

「ナニよ。急にコワイ顔をして…どうかしたの?」


挿絵(By みてみん)

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