③ 地底の村へ
雪子は、チカラを使ってユックリと、縦穴を降下したのだが、何故かすぐに途中から、上下の重力バランスがおかしくなった。
即ち、下が前に、上が後ろになり、まるで横穴のように、立って歩けるようになったのである。
なるほど、コレならあの幼い姉弟でも、歩いて出られるな。雪子はそう思った。
やがて出口が見えて来た。いよいよ地下の別世界とご対面である。
そこは確かに、先程の少女が言っていたように、空はピンク色だが、他のモノは、緑色が目立つ。建物の壁や、屋根、石畳まで緑色だ。それに緑の畑が広がっている。大豆だろうか?
こね景色が、件の"トカゲの女王"とやらの趣味だろうか?どんなふざけた顔をしているのか、拝みたいものだわ。
雪子は、そんな事を考えながら、取り敢えずその辺りをブラブラ歩いた。
すると町外れに、鉱山らしきモノが見えて来た。
緑色の髪と肌の人々が、トロッコを押したり、ツルハシを担いだりして、甲斐甲斐しく働いているようだ。よく見ると、女性や子どもまで居る。
そして働く人々を、ムチを片手に、周りで監視している者たちは、明らかにトカゲ人間…即ち爬虫類族だった。何より彼等自身が、緑色の鱗に覆われたカラダをしていたのだった。
それは、どう見ても、強制労働の現場だった。
人々が運んでいたのは、いかにも重そうな、銅を含んだ鉱石だった。
まるで奴隷扱いね?やっぱり許せないわ。
決意も新たに、女王を探す雪子。
「待て!キサマは何者だ?何故白い肌をしている?」
雪子は、監視役のトカゲ男に見つかった。
まあ、隠れる気もサラサラ無かったのだが…。
「ちょうどイイわ。貴方、私を女王のところへ案内しなさい。」
「何だと?生意気なハダカ猿族のオンナめ!オマエも改造して、葉緑体をカラダに仕込んでやる!」
「ああ、そういう事なのね?食事無しで、少しでも長時間働かせようという…いよいよ許せないわね?」
「許せないだと?だったらどうするんだ?」
「…こうするのよ!」
雪子はチカラを使って、辺りに居たトカゲ男たちを全員空中に吊り上げた。
ヤツラがジタバタしているのを見た緑色の人々は、その場から一斉に逃げ出した。
「ほら、見なさい。やっぱり強制労働だったんじゃないの?」
「ニンゲンは、いつの時代も我々の下僕だ。それの何が悪い!?」
「何もかもよ!こんなのどかな、地底世界にまで侵略の手を広げるなんて…見逃せ無いわ!」




