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「雪子の地底調査」(セーラー服と雪女 第23巻)  作者: サナダムシオ


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㉘ 女王の呟き

「…彼女は、気づいてしまったかな?」

 ふと、爬虫類族の女王、ウアジェトが呟いた。

 ここは、彼女の居城の中の喫茶室だ。


「あの真田雪子というニンゲンは、中々鋭い洞察力を持っていますからねえ。」

 隣の席でレモンティーを飲みながら、犬王アヌビスもそう言った。


「それは、この一見ただの地下世界にしか見えない場所が、様々な並行世界につながる、ハブというか…ジャンクションになっているっていう事実ね?」


 犬王の隣で、猫王子の正妻のバステトが、ホットミルクをフーフー冷ましながら言った。


「そもそもあなた方が、私に相談もせずに、次から次に、穴の護り主の大蛇を殺してしまうから、こんな事に…。」


「ああ、それはもう、本当にごめんなさい。最初の出会い方が不味かったのよ。だって、問答無用で襲って来るからつい…ねえ?」

 猫正妻が犬王を見る。


「いやあ、僕に言われても…いつもバステト嬢が、あっと言う間に片付けてしまうから。」

 困る犬王。


「少し後になって、この城の調査をしたら、貴女の一族が居たじゃない?私たちにとって、話の分かる爬虫類族なんて、珍しいから…とにかく申し訳無かったわ。」

 再度、謝罪の言葉を述べるバステト。


「まあ、終わった事は仕方有りません。それより今後、この空間の管理をどうして行くのかです。」

 前向きな姿勢を見せるウアジェト。


「もちろん、我々猫族と犬族とで、全面的にサポートして行きますわ。そうよねえ、アヌビス君?」

「えっ、ああ、無論です。お任せ下さい。」

 胸を張るアヌビス。


「是非、そうして下さい。ネアンデルタール人たちは、ああ見えて、武闘派ではないのです。」

「…あんなに立派な筋肉を持っているのに?」

 当然の疑問を抱く犬王。


「あの筋肉は、狩りをするためだけのモノ。この世界では、それも必要有りませんから…。」

 爬虫類族の女王は、そう言って笑った。


(中々魅力的な笑顔だな。)

 惚れっぽい犬王は、つい思ってしまう。


「…それに、例のサン・ジェルマンズも、管理に協力するって言ってたわよ。」

 バステトが付け加えた。


「あのサン・ジェルマンズが…それは心強いですね。」

 ウアジェトがそう言う。

 まるで正義のヒーローのように、どこまでも名声が轟く彼等である。 


「ご馳走様。じゃあ、そろそろ行くわね?」

 お暇の挨拶をするバステト嬢。


「もちろん今の件は、超時空犬猫会議の議題に出します。そこで承認されて、正式に取り組む案件となりますので…。」

 最後に犬王がそう言った。


「了解したわ。政治家は大変ね?」

 ウアジェトは気の毒そうにそう言って、帰って行く二人を見送ったのだった。

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