㉗ 地下と海底
一通り見学した後、三人はカグヤの部屋に戻って来た。
「因みに絶滅を免れた者たちは皆、地下に避難しているみたいよ?」
ソファーに座って少し落ち着いた頃、雪子が言った。
「そう言えば雪子さんは、昭和の時間軸の、地下と海底を探索したんでしたね?」
カグヤは興味が有るようだった。
「そうなの。地下では、恐竜絶滅期に、地下に逃れた爬虫類族とか、クロマニョン人に駆逐された、ネアンデルタール人の成れの果てとか、居たわね。だからきっと、モヘンジョダロの住人たちも…。」
「…そうなんですね?」
成雪も身を乗り出した。
「ただ今思えば、アレが本当に"単純な地球の地下"なのか、怪しいモノだわ。」
「それって、どういう…?」
「私は確かに穴から入ったけど、もしも"穴そのモノがポータル"だった場合…。」
「…あっ!」
「地下世界だと思っていた場所は、あの名護屋のテレビ塔のような、亜空間かもしれないわね。」
「成る程。」
「だって、どの時間軸から入っても、あの中では、同じような場面に遭遇するのよ。実に怪しいと思うわ。サン・ジェルマンに出来る事なら、過去の爬虫類族にも、きっと出来るわよね。」
「それは、あり得る話ですね。」
カグヤも、その説に賛成のようだった。
「海底の方は…たった100m程しか潜ってないから、大した事はないわ。ただ気の毒な、ナチスの円盤の残骸を一機、見つけただけ…。」
「ああそれ、例の爬虫類族が、技術供与したヤツですね?」
カグヤが言う。
「…そうね。そして多分21世紀初頭には、どこかの大国にサルベージされて、その技術は拡散される運命なるんだわ。」
雪子なりに結論づけていた。
「成雪君は、どうせならもっと深い場所に、チャレンジしてみるとイイわよ。」
「深海ですか?確かに興味有りますね。」
「ひょっとしたらシーラカンスより、もっと凄いモノに出逢えるかもね?」
雪子は、そんな風に彼にオススメした。
「…メガロドンとか、ですか?」
「そう。クラーケンとかね?でもそんな調査なら、ウチの由理子を、同行させた方がイイかもしれないわ。何しろ彼女は、生き物の専門家だから…。」
「分かりました。考えておきます。」
「後、もしも地下の探索に行くなら、念のために、伯爵の黒いビートルを借りて、南極点近くのポータルから入るとイイかもね。」
「それはまた…?」
「そこには、クルマが入れるようなスペースがあるし、この照和の時間軸のソレは、私が破壊してないから、有効に働くはずよ。」
「成る程。良く覚えておきます。ありがとうございます。」




