表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「雪子の地底調査」(セーラー服と雪女 第23巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/30

㉖ 焼け野原

 そこは約4000年前の、モヘンジョダロだった。

 シンド語で"死者の丘"を意味するその場所は、今まさに、その名の示す通りの有様であった。


 辺りに吹き荒ぶ熱風と、異常な値を示す放射線量。

 ここに来る前に、雪子が"電磁防壁を解除しないように"と言った意味が、良く解った。


 何の防御も無くこの場所に立つ事は、即ち死を意味する。実際、この近くに生きている者を見つける事は、不可能に思えた。


 成雪が、そんな事をつらつら考えていると、目の前に雪子が現れた。

「どう、ご感想は?あんまり楽しいモノじゃないでしょ?」


「雪子さん、コレは一体…?」

 成雪は途方に暮れているように見えた。

「コレが神々と魔族たちの、戦場の成れの果てよ。」

 代わりにカグヤが答えた。


「そういう伝説よね?」

 雪子も短い言葉で同意する。

「でも多分、神々とは鳥族、魔族とは爬虫類族…特にアラハバキの事なのよ。」  


「やはり、マハーバーラタもラーマーヤナも、ニンゲンの王族同士が、神と悪魔の代理戦争をやらされた物語なんですね?」

 カグヤが自分の推察を述べる。


「そうね。少なくとも、私が見た限りではね?」

 雪子がカミングアウトした。


「…やはり、ご覧になったんですね?」

「ほんの少しだけね。原爆や水爆が飛び交う中に、危なくて長時間居られなかたわ。」


「…それが3周目の文明?」

 成雪が訊く。


「まあ、3.5周目ってところかしら。ロストテクノロジーはたくさん有るけど、絶滅はしてないから…。」

 雪子が答えた。


「ロストテクノロジー?」

「…そうよ。例えばアレとか。」

 そう言って雪子が指差した先には、鈍く光る金属製の、大きな寺院のようなモノが有った。


「まさかアレは…ヴィマナですか?」

「そうよ。多分、撃墜されたまま、あそこに放置されたのね。あのまま誰にも気づかれずに、将来、寺院として使われるのかも…。」


「アレが…水銀をエネルギー源にして、推進力を得たという、空飛ぶ宮殿…。」

 成雪は、感慨ひとしおといった様子だった。


「出来れば貴方には、こんな人類の負の遺産なんかより、素敵な歴史から学んで欲しいのだけど…。」

 雪子が言う。

「いえ、いえ。失敗から学ぶ事も、たくさん有りますから。」

 成雪は笑顔でそう言った。


「鳥族の中には、きっと私の仲間も居たのでしょうね?」

 カグヤはそう言った。

(多分、貴女自身もね?)

 雪子はそう思ったが、黙って居た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ