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「雪子の地底調査」(セーラー服と雪女 第23巻)  作者: サナダムシオ


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㉕ 照和の研究所

 "照和"の研究所に戻った雪子は、取り敢えずエレベーターで、二階に上がってみた。


 すると中庭に面した喫茶コーナーで、ちょうどカグヤと成雪が、談笑しているところだった。

 カグヤは水色のワンピース、成雪はピンク色のポロシャツにブルージーンズといった、寛いだ格好だ。


「あら雪子さん、お帰りなさい。昭和の時間軸の皆さんは、お元気でしたか?」

 すぐにカグヤが気がついて、声を掛けて来た。


「ただいま。みんな息災だったわよ。」

 雪子も気さくに答える。

 二人は、時空を超えた親友になる運命なのだ。


「雪子さん。僕、気になる事が有るんですけど…。」

 成雪が話しかけて来た。

 珍しく積極的だ。


「成雪ったら、地球の歴史について勉強しているうちに、何か引っ掛かる事を感じたらしいんです。」

 横からカグヤが補足する。


「なあに?お姉さんが聞いてあげるわ。」

 優しく言う雪子。


 成雪の見た目は立派な青年だが、つい最近産まれたばかりのクローン人間。つまり中身はまだまだ、子ども同然なのである。


「…ねえ、雪子さん。今の人類の文明は、地球の歴史上、"何周目"なの?」

 なかなかの爆弾発言だった。


「…ああ貴方、そこに気がついてしまったのね?」

 雪子は取り敢えず、そう返した。

「ソレは…難しいモンダイね。4周目という話を良く耳にするけど、諸説有るわね。」


「そう…なんですね?」

「…確かめたいの?」

「ええ、出来れば、後学のために…特にインドの伝説"マハーバーラタ"と"ラーマーヤナ"は、気になります。」


「ああ、それ?実は私、以前、時空サーフィンしてた時に、チラリ垣間見ちゃったのよねえ。」

「…?」


「真っ最中はアブナイから、直後に行きましょうか。ただし現場に行っても、電磁防壁は解除しないでね?」

「はあ…?」


 成雪はよく解らないという顔で、返事をした。

 その隣に居るカグヤは、何となく事情を察したようだった。


「じゃあ、チラ見だけだから、今から早速行きましょう。でもその前に、まずは貴女たちの部屋へ移動ね。」

 そんな訳で三人はカグヤの自室に移動した。


 そして、ソファーに二人を座らせると、雪子はテーブルの上で例のカバン…二名用ポータブルタイムマシンを開いて、コントロールパネルに目的地の座標を、以外のように入力した。


 紀元前2000年4月25日

時刻8時00分

 北緯27度20分

 東経68度08分


「さあ、二人で仲良く肩を組んで…後はスイッチを押してね?私は自分の"お一人様用のリング"を使うから。」

 雪子はそう言うと、ちゃちゃっとリングに入力して、パッと消えてしまった。


「じゃあ、行ってみようか?」

 最後の意志確認をするカグヤ。

「はい。お願いします。」

 無垢な顔で、返事をする成雪。


 カグヤも覚悟を決めて、マシンのスイッチを入れたのだった。


挿絵(By みてみん)

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