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「雪子の地底調査」(セーラー服と雪女 第23巻)  作者: サナダムシオ


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⑮ 彼女が正妻

 もちろん雪子も、少なからず驚いたが、黒猫のこの動きは、ある程度予測の範囲内だった。


 多分、自分のセーラー服のどこかに、猫族お得意の、蚤型発信機でも付けられたのだろう。

 あの時点で、私が由理子の姉である事が、バステト嬢にバレていたのだ。彼女はそう思った。


「皆さん、はじめまして。私が、そこで仕事をサボって遊んでいる、ミケーネ王子の正妻のバステトです。以後、お見知り置きを。」


 彼女はそう言うと、優雅に会釈した。

 そうしていると、戦闘時とは別人のように、気品に満ちて見えるから不思議だ。


「私はサン・ジェルマン伯爵と申します。趣味で、歴史調査をやっております。どうぞよろしく。」

 彼が真っ先に挨拶を返すと、黒猫から何時もの反応が有った。


「サン・ジェルマン…貴方があの…?」

「…そうですね。私がそのサン・ジェルマンです。」

 彼も相手のこの反応に、そろそろ慣れっ子になっていた。


「僕は杉浦鷹志です。ここのスタッフとして働いてます。」

「あら、可愛らしいニンゲンの男ね。するとお隣に居るのが…?」


「真田由理子です。雪子さんの時空を超えた妹です。このレストランでメイドをしてます。どうぞよろしく!」

 彼女はそんな感じに元気に挨拶した。


「ああ、貴女が由理子さんなの。へえ〜そうなの…。」

 バステト嬢はまた、独特の反応を見せた。


「さあ、そろそろ僕は帰ろうかなっと…。」

 猫王子がコソコソ動き出した。

「ちょっと待ちなさい!」

 黒猫が、引き止める。


「貴方、ココに来る頻度が、少しばかり多すぎやしないかしら?」

「いやココに来る事も、大事な任務なんだよ。詳しく言えないけど…。」


「知ってるわよ。貴方と犬王が、大層このニンゲンの娘に、夢中だって事を。」

「ハイ。お二人とは仲良させていただいてます。」

 由理子はそこに口を挟んだ。


「でも、ご安心下さい。皆さん、良き御友人ですよ。私には正式なパートナーとして、コチラの鷹志さんが居ますから…。」

 彼女はそう言いながら、鷹志の腕を引っ張った。


「あら、そうなの?」

「はあ、まあ僕たちはもう、婚約してますので。」

 鷹志がそう答えると、黒猫は何故か少し残念そうだった。


「ほら、そう言う訳だからね…何も心配無いのだよ。」

 ミケーネも慌てて言い繕う。


「ふ〜ん。まあ、いいわ。今後は私も、コチラに時々顔を出す事にするから…皆さんよろしくね?」

 バステト嬢はそう言うと、ニッコリ笑った。


 何故かその後ろで、ミケーネが頭を抱えて居たのだった。 


挿絵(By みてみん)

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