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エピローグ

2017年8月23日 修正しました。

2017年9月6日 行間や読みやすさを修正しました。内容の変更はありません。

「いやー。疲れる。本当に疲れる。警備隊長って大変だよね」

 

僕は王都で人気のサンドイッチにかぶりつくと、足をぶらぶらさせてみた。


「ご報告があります」


「はーいはい。今日は何人?」


「七名が死亡しました。本日攫ってきた人間が、九名です」


「ん! いいね! プラスになったじゃない! じゃあ、死んだのはいつも通りアンデッドにしておくから、棄てといて」


「はっ……」


 踵を返していく彼女は、竜族とエルフのハーフだ。漆黒の髪と抜群のスタイルが自慢だけど、左頬にあるウロコを気にしている。英雄ギルドの一人でも、小さな悩みをもっているんだな。そういうのが人間臭い。なるほど、勉強になる。


僕は背伸びをして、大きな欠伸をした。首をぽきぽきと鳴らし、景色を眺めた。目の前に広がる巨大な空間は、王都の下水道へと繋がっている。五百年前と変わらずあるこの空間は、何のためにあるのかな?


「ま、有効利用させてもらってるけどね」


 地面が、壁が、天井が、黒いお布団で敷き詰められていた。一つ一つのお布団に、苦悶の表情をした人間たちが叫びながら眠っている。彼等には一度眠らせたら死ぬまでお布団ポイント稼ぎに使わせて貰っている。お布団スキルの効果で体力が上がるから、中々死なないのがいいよね。


「でも、まだまだだなあー。一億ポイントとか、どうやって取るんだよこれ」


 僕はわざとらしくため息をついた。そんな僕の心情とは関係なく、どたどたと大きくて下品な足音を立

てながら、ムキムキの大男が慌ててやってきた。


「アル! ヨナ様達はどうすんだ!? 他の奴らは死んでもかまわねーが、ヨナ様はオレのモンだぜ!?」


「ええぇ~? むしろヨナだけが邪魔だから消したいんだけどなー」


「それは許さねえ! オレの恋心は神様でも邪魔させねえ!」


 長髪を前の方で固め、まるでツバが長いメットのような髪型の英雄が息巻いていた。


「ねー君さー。何で洗脳されてるのにそんな自我が強いの? 不思議だわー」


「オレの恋心は誰にも止められねえ!」


 あーめんどくさい。


「はいはい。解ったよ」


 僕は適当にあしらって、その場を離れた。ヨナはやはり邪魔になりそうだし、洗脳するのも一苦労しそうだからさっさと消しておこう。


「さて、警備の仕事しなきゃ」


 国の警備は意外とやりがいがある。政治ばっかりやってきたから、新鮮だった。太陽と共に一日が始まり、見回りや雑事をこなして、たまに国民と雑談したり、夜は部下たちと語り合い、盃を片手に明日の活力を得る。本当に充実している。若かりし頃を思い出すなあ。

僕は監獄の隠し扉から王城へと戻り、自分の部屋に積まれてある書類を確認し、城下町へと見回りに行った。


今日も国を守るぞー!


ここまでで一章とさせて頂きます。次回更新は未定ですが、全三章ほどになると思います。

読んでくださった方々、応援してくださった方々、本当にありがとうございました。

また更新したあかつきには、よろしくお願いいたします。

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