2話「双子姫の決断」
シャルの部屋では、双子姫が暗い顔をしてベッドに並んで腰掛けていた。
壁紙、絨毯、ベッドやカーテンなどは全て淡い水色で、
ところどころに高価な装飾品が散りばめられている。
王から突然の宣告を受けた2人は、明日の朝までにある決断をしなければならなかった。
「お父様、どうしてこんなことを……」
シャヌがつぶやいた。
「仕方ないわ。代々続いている習わしなら、守らなければならないもの」
2人が誕生会の後に王から告げられた試練の内容は、こうだ。
1年間、森に修行に行き、死なずに帰って来い。
内容としては、とてもシンプルだ。
しかし、最後の部分が気になる。
死なずに帰って来い、というくらいだから、
とてつもなく危険なのだろう、ということは予想がつく。
実際、森には魔物が住み着いており、夜になると活動を始めると言い伝えられていた。
「受けるかどうか一晩よく考えるようにってお父様はおっしゃっていたけれど……。
断ったら王宮追放なんでしょう?受けるしかないわよ」
先に重い口を開いたのは、姉の方だった。
「私は、死ぬくらいなら、一般国民になった方がいいわ。
だって私たち、普通の少女としてでも、きっと幸せになれると思うの」
……意見が分かれてしまった。
「ダメよ。確かにその道も悪くないかもしれないけれど、
アルメリアの姫として……次期女王として生まれてきた。
この責任は、果たさなければいけないわ」
「何言っているのよ、シャル。死んでしまったら責任も何も、全てなくなってしまうのよ!?」
双子姫は、これまでにないくらいに激しくぶつかり合い、夜中口論を繰り返した。
しまいには日常での鬱憤や相手の悪口なども爆発し、もう何がなんだかわからなくなってしまっていた。
心の内に閉じ込めていたものを全て吐き出して、
くたくたになった頃、ようやく1つの結論にたどり着いたのだった。




