お祖母様、鹿を背負ってやって来る
「あらあらあら。あのバカ爺様。年甲斐もなく何やってるんだか」
「げっ!?」
突然、後ろから声が聞こえた。
振り返るとそこには、一人の女性が立っていた。
「お婆様!」
ワイズお姉様が声を上げる。
「まあ〜。ワイズもちょっと見ない間に、大きくなったわねー」
お婆様は嬉しそうにワイズお姉様を見る。
そして、私へと視線を向けた。
「あら! それに貴女が、クルークちゃんね!」
「は、はい!」
この人が私のお婆様?
お祖父様とは違って、ずいぶん穏やかそうな人だ……うん。見た目は。
「初めまして! クルークです!」
「まあ! 中々、利発的な!」
お婆様は私の顔をじっと見る。
そして――。
「私の若い頃にそっくりだわ」
「……」
何で答えればいいんだ?
「そ、そうですか……?」
「ええ。きっと賢い子になるわね」
「ありがとうございます……」
とりあえず笑っておこう。
まだ、お婆様がどんな人なのか分からない。
お祖父様みたいな人だったら困る。
そんなことを考えていると。
「ワイズちゃん!」
「はい?」
「この背中に背負ってるの降ろすから、ちょっと手伝って」
「はい!」
……背中?
私はお婆様の背中を見ると大きな荷物が背負われていた。ずいぶん重そうだ。
「しかし、お婆様。何でこんな重い物を……」
ワイズお姉様が荷物を下ろすのを手伝う。
ドサッ!
地面に置かれた荷物。
「途中でいい鹿がいたんで、捕まえてやったの」
「……」
「今日は鹿のステーキよ」
「……」
「さっ! 解体しましょ」
「……」
私は固まった。
鹿?捕まえた?途中で?
「ワイズちゃんも、鹿捌けるようになった?」
「い、いいえ。まだですので……」
「そう」
お婆様は嬉しそうに笑う。
「じゃあ、お婆ちゃんが教えてあげるから手伝って」
「……はい」
「クルークちゃんはまだ小さいから、そこで見ていなさい!」
「え……」
私は鹿を見る。
そして、お婆様を見る。
マジですか……?
いや。待って私の想像していたお婆様との再会って、もっとこう……大きくなったわねぇとか。元気だった?」とか。そういう感じじゃないの?なんでいきなり鹿の解体なんだ!?
しかも、お婆様。どうやって鹿を捕まえたの?
まさか素手?いやいや。そんなわけ――。




