職人の手で、商品が生まれ変わる
数日後。
「出来たぞ」
お父様に呼ばれて、私は執務室へ向かった。
机の上には――。
「おお!」
三つの製品が並んでいる。
洗濯ばさみ。布団ばさみ。泡立て器。
どれも、私が最初に作った物とは違っていた。
「これ……」
私は洗濯ばさみを手に取る。
「おお……」
手触りが良い。最初にお兄様に作ってもらった物は、木を削っただけだった。
多少の荒さも残っていたが、これは違う。
表面が滑らかだ。角も綺麗に処理されている。
握ってみても手に馴染む。
「すごい……」
布団ばさみも手に取る。
こちらも同じく、木の表面は滑らか。
大きさもちょうどいい。
そして、バネもしっかりしている。
「これなら布団もしっかり挟めそう!」
私は何度か動かしてみる。
パチン。しっかり閉じる。
「いい!」
そして最後に――泡立て器。
「これも……」
針金の形が綺麗に揃っている。
持ち手も握りやすい。
全体的に、私が作った物よりずっと綺麗だ。
「更に磨かれた感じ!」
私は三つを並べて見る。
「流石だわ……」
職人さんたちはすごい。私が作ったのは、あくまで「こういう物があったら便利」という形だけ。そこから実際に使いやすい物へ仕上げる。
これが職人の仕事なのだろう。
「どうだ?」
お父様が聞いてくる。
私は三つを見ながら、満足そうに頷く。
「これは……」
握ってみる。使ってみる。もう一度眺める。
そして――。
「売れそうです!」
お父様が少し驚いた顔をする。
「本当に?」
「はい!」
少なくとも、私は欲しい。
洗濯ばさみ。布団ばさみ。泡立て器。
どれも生活で使える。しかも、職人さんが作ったことで、ちゃんとした商品になっている。
「これは商品として出せます!」
私は三つを机に並べる。
新しい商品が、また三つ。
「ふふふ……」
これなら、パンパ領の収入も増える。
そして――。
「私の贅沢生活に、また一歩近づいた!」
「……そこなのか」
お父様が呆れたように呟いた。でも、いいのだ。領地が豊かになる。商品が売れる。私も贅沢出来る。全部いいことなのだから。




