↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した貧乏男爵令嬢、領地を開発して大金持ちになります!  作者: 稔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/155

最大の問題は物流

「うーむ……」


私は再び、お祖父様の書庫に籠もっていた。

机の上には、いくつもの資料が広げられている。


パンパ領の地図。各集落の位置。

これまでの生産量や、商人との取引記録。


そして――山道についての記録。


「……資源は、結構あるんだよね」


木。竹。椿。山菜やキノコ。

それに、まだ私が知らない物もきっとある。

商品だって少しずつ増えてきた。


固形炭。炭ペン。椿油。椿石鹸。

椎茸だって、上手くいけば新しい産業になる。


「問題は……」


私は地図を見る。


「どうやって運ぶか」


これだった。


商品を作る。

↓

集落へ運ぶ。

↓

麓へ運ぶ。

↓

商人に渡す。

↓

領外へ運ばれる。


「……遠い」


とにかく遠い。

しかも――


「山道なんだよね……」


パンパ領は山の中。


領主館は、そのほぼ中央。

各集落も山の中に散らばっている。

しかも平地は少ない。


「人力が中心」


荷物を背負う。

あるいは、ロバのような小型の馬に積む。


「それじゃあ、時間が掛かりすぎる」


商品を増やせば増やすほど、運ぶ量も増える。

つまり――


「運賃も増える」


せっかく商品を作っても、運ぶだけで利益が減ってしまう。


「これじゃあ……」


私は頭を抱える。


「大量生産しても意味がないじゃない!」


工場を作る。商品を増やす。売る。

それだけでは駄目なのだ。


物流。


これを何とかしなければ。


「山の上に荷物を運ぶ……」


私は椅子に座ったまま、天井を見る。

車はない。鉄道もない。

当然、トラックなんてない。

舗装された道路もない。


「……何かないかな?」


山道を歩かずに荷物を運ぶ方法。

少ない人数で大量に運ぶ方法。

しかも、このパンパ領でも作れそうな物。


「うーん……」


私は再び書庫の本を探し始める。


「何か……」


ページをめくる。


「何かあるはず……」


木材も竹もある。人もいる。

鍛冶師もいる。簡単な道具なら作れる。


「だったら……」


私は地図を見る。

山の斜面。集落。領主館。そして麓。


「……山だからこそ、使える方法ってないのかな?」


山の中。平地が少ない。道路を作るのも大変。

だからこそ――平地を作るのではなく。

山そのものを利用する。


「…………」


何かが引っかかった。


「……そうだ」


私は呟く。


「下へ運ぶだけなら……」


上から下へ。山には高低差がある。

その高低差を利用すれば――


「もしかして……」


私は書庫の本をもう一度めくる。


「これ、使えるんじゃ……?」


まだ具体的な形にはならない。

けれど。パンパ領の次なる課題は決まった。

どうやって、この山から荷物を運び出すか。


「……よし」


私は立ち上がる。


「物流を何とかしよう!」


領地開発は、商品を作るだけでは終わらない。

作った物を売れる場所まで運んで、初めて商売になるのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。