遊び道具の開発も、職人さんに丸投げです!
ちょっと本来の目的からズレるかも知れないけど。
遊ぶための道具。つまり、おもちゃを作ろう!
子供向けのおもちゃだけど、まずはここからだと思う。
いきなり大人に「今日から仕事を休んで遊びましょう!」なんて言っても、何をしていいのか分からないだろうし。
だったら、子供の頃から遊ぶ習慣を身につけてもらえばいい。
子供が遊ぶようになれば、親も一緒に遊ぶようになるかも知れない。
うん。いい考えじゃない?
……まあ、実際に上手くいくかは分からないけど。
とにかく、まずは道具を用意しよう!
前世でホームセンターに勤めていた私は、子供向けのおもちゃについても、多少の知識はある。
専門家じゃないけどね。
「まずは、積み木かな」
木材ならパンパ領にいくらでもある。
大きさを揃えて切り、角を丸めて、表面を滑らかにする。
それだけでも立派なおもちゃになるはずだ。
積み木なら、家を作ったり、塔を作ったり、好きな形を作って遊べる。
小さな子供でも楽しめるし、遊び方も自由。
しかも、木工職人さんたちの技術を活かせる。
うん。これは決まり!
「次は、パズルね」
絵を何枚かに切り分けて、正しい位置に戻す遊び。
最初は少ない枚数から始めて、慣れてきたら少しずつ難しくすればいい。
ただし、あまり細かく切りすぎると、小さな子供が間違って口に入れてしまうかも知れない。
そこは注意してもらおう。
それから……。
「リバーシもいいわね」
表と裏で色が違う駒を使い、相手の駒を挟んでひっくり返す遊びだ。
盤面も駒も木で作れる。
ルールも比較的簡単だし、大人同士でも楽しめる。それに、先を考える練習にもなる。遊びながら頭を使う。
素晴らしいじゃない!
「あと、カルタみたいなものも作りたいわね」
私が考えたのは、表に植物の絵を描き、裏にその名前を書く札だ。
同じものを二枚ずつ用意する。
例えば、一枚には表に椿の絵、裏に『つばき』と書く。
もう一枚も同じものを作る。
それを何種類も用意して、絵を見て同じものを探す遊びにするのだ。
最初は絵だけで遊んでもいい。
慣れてきたら、植物の名前を覚えてもらう。
さらに文字を読めるようになれば、文字を見て同じ札を探す遊びもできる。
植物以外にも、動物や道具、領内の地名など、題材はいくらでもある。
「遊びながら勉強もできる。これなら一石二鳥ね!」
もちろん、子供に勉強だと意識させる必要はない。遊んでいるうちに覚えてしまえば、それでいいのだ。
よし!作るものは決まった。
あとは職人さんにお願いするだけ!
私はさっそく、それぞれのおもちゃについて、簡単な絵と寸法、作り方の希望を書き出した。
積み木は大きさの違う木片を何種類か。
パズルは、最初は簡単な絵を少ない枚数に分けたもの。
リバーシは、盤と表裏で色の違う駒。
植物の札は、絵と文字を組み合わせたものを二枚ずつ。
そして、それぞれの遊び方も説明書にまとめる。
細かい部分は職人さんたちの意見を聞きながら調整してもらえばいい。
私は専門家じゃない。
実際に作るのは職人さんたちだし、使いやすさについても、私より詳しいはずだ。
「よし。これで完成!」
書類をまとめて、職人さんたちに渡す。
あとはよろしくお願いします!
丸投げよ! 丸投げ!
……いや、今回は遊び道具だから、丸投げしても問題ないはず。
きっと。
これで子供たちが遊ぶようになれば、少しずつ遊びの習慣が広がっていくかも知れない。
まずは子供からそして、いずれは大人も。
そう考えると、まだまだ考えることは多い。
「大人も楽しめる遊びって、他に何があるかしら?」
リバーシはいいとして、もう少し体を動かすものも欲しい。
でも、パンパ領は山が多い。
平らな場所は貴重だし、広い遊び場を用意するのも簡単じゃない。
大勢で走り回るような遊びは、今の段階では難しいだろう。
うーん……。
「ボウリングなんて、どうかしら?」
前世で見たことがある。
細長い場所に球を転がして、並べたピンを倒す遊びだ。
広い運動場は必要ない。
必要なのは、球を転がすための細長い場所と、ピンを並べる場所くらい。
もちろん、球やピンを作る必要はあるけど、木材ならいくらでもある。
球を転がすだけなら、力の強さだけでなく、狙いを定めることも重要になる。
大人同士で競い合っても楽しめそうだ。
それに、子供向けにピンを少なくしたり、距離を短くしたりすれば、子供でも遊べるかも知れない。
「うん。これも候補に入れておこう!」
ただし、いきなり大きな施設を作る必要はない。
まずは小さなものを試作して、どれくらいの広さが必要か、どんな球やピンがいいのかを確かめればいい。
上手くいけば、集落ごとに遊べる場所を作ることもできるかも知れない。
……まあ、その前に新しい集落の開拓を進めなきゃいけないんだけどね。
棚田に水道に道路。住居に食糧庫。
そして、今度はおもちゃに遊び場。
私、いったい何をしているんだろう?
いや、領民の生活を豊かにするという意味では、間違っていないはず。
仕事だけして生きるより、仕事の合間に楽しいことがある方がいい。
それに、遊び道具を作る職人さんたちにも、ちゃんと休んでもらわないとね。
……あれ?
休みを作るために、休みを作る仕事を増やしている?
「うん。考えるのは、ここまでにしましょう!」
とりあえず、おもちゃの試作品ができるのを待とう。
遊び道具が完成したら、子供たちに使ってもらって、感想を聞けばいい。
そこから改善していけばいいのだ。
まずは小さな一歩から。
パンパ領に、遊びを広めよう!
……私自身の休みは、いつになるのかしらね?




