↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した貧乏男爵令嬢、領地を開発して大金持ちになります!  作者: 稔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
125/152

我が領民、フットワークが軽すぎる!

道具も人材も集まってしまった……しかも、短期間に。いや、短期間どころじゃない。募集した次の日だぞ!?


「……フットワーク軽すぎやろ! 我が領民!」


思わず、心の中で突っ込んでしまった。

目の前には、開拓作業に参加する人たちが集まっている。


皆、やる気に満ちた顔をしていた……うん。

集まってくれたのは、ありがたい。

ありがたいのだけれど!


もう少し、こう……準備期間とか、心の準備とか、あるでしょう!?


私なんて、まだ開拓の手順を全部決めていないんですよ!


「……さて」


私は、目の前の人たちを見渡した。


これだけ集まっているのだから、改めて話をしておいた方がいいだろう。

何も説明せずに出発させるわけにもいかない。


「……演説でもした方が良いのか?」


いや、演説というほど大げさなものではないけれど。とにかく、最初にやるべきことを伝えよう。私は一歩前に出た。


「では、皆さん!」


集まっていた人たちが、こちらを向く……四歳児の私が、大人たちに指示を出す。

いつまで経っても、慣れない光景だ。


「目的地は、既に分かっていると思いますが……」


「はーい!」


……元気だな!


「そうですね。まずは、木材確保のために、目的地周辺を切り拓くことから始めます!」


新しい集落を作るには、木材が必要だ。


家を建てるためにも、作業用の設備を作るためにも、木は欠かせない。

もちろん、全部の木を切り倒せばいいわけではない。

住居を建てる場所、畑にする場所、道を通す場所。


それぞれを考えながら、必要な範囲を少しずつ切り拓いていく。


まずは、現地を確認しながら木材を確保する。

そして、集落を作るための準備を進めてもらうのだ。


「分かりました!」


領民たちが力強く返事をした。

うん。いい返事だ。


「それから、作業を進めていて、何か足りない物や必要そうな道具があれば、遠慮せずに教えてください!」


私は、皆を見ながら続けた。


「私が考えますので!」


……そう。


道具については、多少の知識がある。

もちろん、何でも作れるわけではない。


けれど、こういう道具があれば便利だという案なら、出せるかもしれない。

現場で作業をする人たちの意見を聞けば、私が気づかなかった問題も見つかるだろう。


「必要なものは、どんどん教えてくださいね!」


「はい!」


「遠慮はいりません!」


「ありがとうございます!」


……あれ?

ちょっと待って。私、今、自分から仕事を増やすようなことを言わなかった?


いやいやいや!


現場で困るよりは、先に教えてもらった方がいい。道具が足りないせいで作業が止まるのは避けたいし、工夫できるところがあれば改善したい。


そう考えれば、間違ったことは言っていない……言っていないはずだ。


「そして!」


私は、気を取り直して声を張った。


「安全第一でお願いします!」


これだけは、絶対に伝えておかなければならない。山の斜面での作業だ。

木を切るにも、石を動かすにも、危険はある。


急いで開拓を進めた結果、誰かが怪我をしてしまっては意味がない。


「無理はしないこと。危険だと思ったら、作業を止めて相談してください。早く進めることより、皆さんが無事に帰ってくることの方が大切です!」


「分かりました!」


今度は、先ほどよりも真剣な返事が返ってきた。

よし。伝えるべきことは、伝えられたと思う。


「それでは、よろしくお願いします!」


私は頭を下げた。


領民たちも、それぞれ準備を始める。

道具を確認する者。荷物をまとめる者。

先発の人と作業の段取りを相談する者。

皆、手際よく動いていた……本当に、行動が早い。


「お嬢様、皆さん、すぐに出発できそうですね!」


隣にいたヴァイプさんが言った。


「そうですね……」


私は頷いた。


「私は、後から向かいますので!」


現地の状況を確認しながら、必要な準備を整える。抜根機とクレーンも、実際に使える状態なのか確認したい。


それに、水路や住居の配置など、まだ考えることは多い。

まずは皆に現地で作業を始めてもらい、私は後から合流する。

それが今のところ、一番よさそうだった。


「では、行ってきます!」


「気をつけてくださいね!」


開拓に参加する人たちを見送りながら、私は大きく息を吐いた。


……ふぅ。


ひとまず、第一歩は踏み出せた。


道具もある。人材もいる。

目的地も決まっている。

あとは、実際に開拓を進めていくだけだ。


「よし……これで、少しは領地が豊かになるわね!」


私は拳を握った。


新しい集落ができれば、住める場所が増える。

棚田を作ることができれば、食料の生産量も増やせるかもしれない。そして、領地が豊かになれば……。


「ふふふ……私の贅沢三昧計画にも、一歩前進ね!」


……そのためにも、まずは開拓だ。


私は机に戻り、次に必要な準備を考え始めた。

ところで。


「……私、現場に行くの、いつになるんだろう?」


まだまだ、やることは山積みだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。