最初の商品は、髪飾り
さて。金メッキができるようになった。
となれば――。
「アクセサリーを作らないとね!」
私は机に向かって考える。
アクセサリーと言っても、色々な種類がある。
指輪。ネックレス。ブローチ。髪飾り。
他にも色々あるけど――。
「何がいいかしら?」
私は腕を組む。
この世界で、実際に使われているものを思い出してみる。
「うーむ……」
まず目につくのは――。
「髪飾りはどう?」
この世界を見る限り、何かしらの髪飾りをしている人が多い。
お母様もそうだ。
それに第一集落へ行った時も、髪飾りをつけている女性を何人か見かけた。
「うん。髪飾りなら、需要がありそう」
少なくとも、使っている人がいる。
これは大事だ。
「指輪は……」
お母様はしていた。でも――私が見落としていたかもしれないけど、他の人がしていた記憶がないのよね。
もしかしたら、貴族だけなのかもしれない。
それに作業をする時には邪魔だから、外している可能性もある。
「農作業とか木工とか、手を使う仕事が多いからね」
指輪なんてしていたら、傷つくかもしれない。
それに、指に何か付いていると作業の邪魔になることもある。
「じゃあ、他のアクセサリーは?」
ネックレス。ブローチ。イヤリング……。
「うーん」
そもそも存在しないのか。
たまたま私が見ていないだけなのか。
存在するけど、普段はつけないのか。
「分からない!」
まだ情報が足りない。
なら――。
「やっぱり髪飾りからだな」
使っている人を実際に見ている。
これなら間違いない。
しかも髪飾りなら、作業の邪魔になりにくい。
「よし!」
方向性は決まった。
あとはデザイン。
「最初は、シンプルなデザインでいいかな」
いきなり複雑なものを作ってもらっても、時間がかかる。
まずは簡単な形。金属で作れるもの。
そこに――。
「金メッキ!」
金色の装飾を加える。
これなら、かなり高級感が出るはず。
「でも……」
私は考える。
いきなり大量生産するのも危険だ。
まずは試してもらい、売れるかどうか確認する。
「一〇個くらいかな?」
試作品として十個。
デザインも少しずつ変えてみる。
「これと、これと……」
私は紙に簡単な絵を描いていく。
丸いもの。細長いもの。花を模したもの。
葉っぱを模したもの。
「このくらいなら作れるかな?」
細かい部分は職人さんに任せればいい。
私が考えるのは形だけ。
「よし!」
私は出来上がった図をまとめる。
「これを発注!」
まずは十個。
これで実物を作ってもらう。
そして――金メッキを施してみる。
「どんな感じになるかな?」
想像するだけで楽しくなる。
木工品。竹製品。炭。蜂蜜。椎茸。
そして今度は――。
「金メッキの髪飾り!」
少しずつだけど。
パンパ領の商品が増えている。
「ふふふ……」
私は完成品を想像する。
「これが売れたら、また次の商品を考えよう!」
こうしてパンパ領初の金メッキアクセサリー。
その第一弾として、髪飾り作りが始まった。




